「ロボットが人を治療」 日本のVB、欧州で初の認証取得

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2013/8/5 20:04
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日本発の治療用ロボットが世界で初めて、医療機器として認められた。ロボットベンチャーのサイバーダイン(つくば市)が開発した、装着型ロボット「HAL」だ。サイバーダインは5日、医療用に開発したHALが欧州の工業規格である「CEマーク」の認証を受けたと発表した。脳卒中の症状や脊髄損傷を持つ患者の足の運動障害を改善できるという。ロボットが治療・医療用として認可されるのは初めて。欧州を皮切りに、米国や日本など世界で医療機器としての普及を急ぐ。

サイバーダインの山海氏(左)とドイツ認証機関日本支社の技術担当者

サイバーダインの山海氏(左)とドイツ認証機関日本支社の技術担当者

「長らくHALを開発してきた我々にとって、医療機器市場の34%を占める欧州に輸出できることは、大きな一歩。ようやくHALが世界の市場で展開できる」。山海嘉之最高経営責任者(CEO)は同日の記者会見でこう述べた。認証したのは、ドイツの第三者認証機関テュフラインランド(ケルン市)。欧州に輸出・販売するためには、欧州の工業規格であるCEマークを取得する必要がある。ドイツ最大の労災病院を経営するBGグループ(約4400床)が労災保険適応を始める。HALを活用する患者向けにまず約10台をドイツに出荷する。

医療用に開発された欧州市場向け「HAL」

医療用に開発された欧州市場向け「HAL」

HALは脳から出る微弱な信号や人が歩く速度などを感知する生体信号、加速度センサーなどを搭載。人が手足を動かそうとすると、脳の電気信号を足の皮膚表面で検知し、モーターを制御して思った通りに手足を動かせるように補助する。脊髄損傷や脳卒中の患者に装着することで、脳や足などの弱まった筋肉の機能を回復させる効果があるという。欧州用に開発された医療用HALは重さ約14キログラム。

すでに、HALは手足が不自由な人のリハビリなどに介護・福祉用として使われている。「モーターの電子回路などを欧州で医療用として認可されるよう130カ所を再設計した」(山海氏)

理学療法士が患者の症状に合わせて適切なリハビリを実施する

理学療法士が患者の症状に合わせて適切なリハビリを実施する

日本では国立病院機構新潟病院を中心に、神経や筋肉の難病で歩行が不安定な患者を対象とした医師主導の臨床試験(治験)が始まっている。160の病院で約400台が研究・臨床試験用として稼働中。日本でも国の承認が得られ次第、医療機器として製造を始める。

医療用に先駆けて実用化した福祉・介護用では、レンタル料が月15万~16万円程度。医療用でもレンタルを考えており「レンタル料は、介護用に比べ若干高めを想定。貸し出す方式も含めこれから詰める」(山海氏)。

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