ソニー初のウルトラブック 価格は手ごろだが弱点も
ソニー「バイオ Tシリーズ(SVT13119FJS)」

ソニーは同社初のウルトラブック「バイオ Tシリーズ(SVT13119FJS)」を6月9日に発売した。天板にアルミニウムを採用、アルミの質感を生かしたヘアライン加工を施した。厚さは17.8mmでフルフラットデザイン。側面には丸みを帯びたデザインを採用し、ねじれに対する剛性も高めた。
「ラピッドウェイク+エコ」を搭載し、外出先でも液晶画面を開くとすぐに作業を再開できる。液晶画面を閉じると、消費電力を低減した省電力スリープモードに切り替わる。13.3型のほかに11.6型「SVT11119FJS」(実売11万円程度)がある。通信はLAN(1000/100/10Mbps)、無線LAN(IEEE802.11b/g/n)、ブルートゥース4.0。メディアカードはMSデュオ/SD。
実売価格は11万円程度、販売目標は非公表。
【日経産業地域研究所研究員の視点】

ソニーには、SSDを搭載した薄型・軽量のウルトラブックに近いコンセプトのパソコンとして、バイオZがある。6月9日発売のバイオZは13.1型でi5-3210M(2.5GHz)、SSD128GBを搭載し、厚さ16.65mm、重さ1.17kgだ。光学ドライブとGPUは別売りのユニット「パワーメディアドック」(実売4万円程度)に接続する。大型モニターで見たければHDMI端子などで接続できる。ソニーらしいユニークな製品だ。ただバイオZは本体をカスタマイズしてスペックを落としても、パワーメディアドックを合わせて購入すると20万円近くになる。
今回のバイオTシリーズは対象層を広げた普及型のモデルだ。他社のウルトラブックと同様に、日ごろ持ち歩くことを想定してデザインに力を入れた。アルミ製の天板はヘアライン加工している。
実際にパソコンを持ち歩く機会が多いのはビジネスパーソンだろう。ワードやエクセルの作業状態を保存する機能を採用しており、取引先で起動すれば見せたいファイルが開いて、スムーズにプレゼンを開始できる。電源オフ状態でもUSB給電できるので、スマートフォンの充電などに使える。HDMI端子とVGA端子があり、会議室の大型モニターを使うことも可能だ。
ただ、ベンチマーク機の富士通の「ライフブック UH75/H」と比べると、ディスプレーがやや小さいにもかかわらず、バッテリー駆動時間が短い。WiMAXに対応していないのも気になるところだ。それでもソニーのウルトラブックとして、ある程度の人気は博すだろう。
価格 | 実売11万円程度 |
販売目標 | 非公表 |
発売 | 6月9日 |
CPU | i5-3317U(1.7GHz) |
メーンメモリー | 4GB |
グラフィック | HDグラフィックス4000 |
ディスプレー | 13.3型(解像度1366×768) |
ストレージ | HDD 500GB、SSD 32GB |
OS | ウィンドウズ7ホームプレミアム64ビット |
バッテリー駆動 | 6.5~7.5時間(充電4時間) |
大きさ、重さ | 323×226×17.8mm、1.5~1.6kg |
【ベンチマーク商品】
富士通の「ライフブック UH75/H」。6月7日発売。実売11万円程度。CPUはi5-3317U(1.7GHz)、HDグラフィックス4000。メーンメモリー4GB。ディスプレーは14型(1366×768)。ストレージはHDD500GB+SSD。LAN(1000/100/10Mbps)、無線LAN(IEEE802.11b/g/n)。メディアはSD。ウィンドウズ7ホームプレミアム64ビット。バッテリー駆動9.1時間。充電2時間。大きさ327×225×9.0~15.6mm。重さ1.44kg。
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