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「ユーロ・ドル」取引で利益200万円のFX投資家

「株ではもうからない」と考えて外国為替証拠金取引(FX)に参入する個人投資家が目立つ。FX業者やネット証券会社は、スマートフォンやタブレット型端末でFXの取引ができるアプリの機能拡充を競っていることも利用者増につながっている。ただし、FXでも勝つのはそう簡単ではない。高倍率をかけた結果、損失が膨らみ青い顔をしている投資家もいるだろう。

FX投資家に会いに、ゆりかもめの芝浦ふ頭駅にやって来た

FXを始めた当初は赤字だったものの、2011年から黒字化し、「勝ちにいく感覚」をつかんできたという投資家が東京・レインボーブリッジ付近にいると聞き、新交通システム「ゆりかもめ」で芝浦ふ頭駅(東京都港区)に向かった。

会社員の芝貴幸さん(仮名、32歳)は3年前まで、"投資活動"といえるのはせいぜい外貨預金ぐらいしかしていなかった。ただ「経済の流れを知る意味でも、もっと活発な動きをする取引をしたい」と思うようになり、2009年にFX取引参入ののろしをあげた。しかし同年は行き当たりばったりで売買判断する場面が多く、同年の取引は50万円の損失で終わった。

「これではズルズルと負けるばかり」と考えた芝さんは、翌10年から取引で失敗した事例などを細かく記録しておくようにした。「このときまだ下がるとみて損切りに失敗した」「欧州懸念後退の材料で、ユーロが予想外に上がった」……。失敗の記録をとっておくことで反省点が頭に残り、次の取引に生かせるようになったという。

芝さんのFX取引における反省メモの例

そうした反省をもとに現在は自分で課したルールを守る。例えば「リスクを限定させるため、1日の取引は3万通貨まで」と決めておけば、熱くなって必要以上に取引して後で青くなることも少なくなるという。

「ドル・円」、「ユーロ・円」など、円を組み合わせた「クロス円」の取引から「ユーロ・ドル」の取引へ軸足を移したのも最近の特徴だ。近年、外国為替市場は欧州の債務問題で振れやすい展開だが、日本のFX個人投資家はなじみのある「ユーロ・円」での取引量が多い。ただ芝さんは「『ユーロ・ドル』の取引のほうが最近の欧州関連の材料に敏感に反応し、取引しやすい」との印象を持つ。「ユーロ・ドル」なら政府・日銀の円売り介入のような通貨当局による"相場かく乱要因"も比較的少ない。

パソコンとスマートフォンが芝さんのトレードの武器

現段階で芝さんは基本的に目先の欧州懸念でユーロ安は続くと考え、ユーロ売り・ドル買いのスタンスで臨んでいる。ユーロの高値でユーロ売り・ドル買いを注文し、下げたところでユーロ買い・ドル売り。再びユーロ売り・ドル買いを仕込み、ユーロ安による利益を享受しようとしている。「上がるほうでも下がるほうでも利益を取ろうとして欲張ると、投資に一貫性がなくなり、『反省して次の取引に生かす』ことも難しくなる」。

新聞やテレビなどメディアの市場予想コメントにも注意を払う。「強気派」と「弱気派」の両方が取り上げられる場合が目立つが、「いろいろなプロの意見を聞いてしまうと、自分の相場観を確立しづらくなる」。このため芝さんは自分が信頼できる著名アナリストを決めておき、その人のコメントをあるていど信じて取引姿勢を固めるという。

「ユーロ・ドル」の取引で利益が出やすくなった芝さん。生活にも彩りが出るようになった。衣料品が好きな芝さんはある週末、FXの利益でイタリア製ブランド靴「ベルルッティ」を購入した。平日のランチ代もFXで稼ぐことが多い。東京での平日のランチ代を1日1000円と仮定すると、月2万円強はかかり、家計運営面では意外とばかにならない。週間、月間単位で2万~3万円程度の利益目標を掲げると、FXの小口取引で目標を達成しやすいという。

FX取引に伴う損益は2010年でトントン、2011年は200万円ほどの利益を獲得した。足元の欧州問題はなお不安定で、「ユーロ・ドル」相場はチャート上でもなお下げ余地が大きいと芝さんはみている。

トレンドの転換は4カ月ほどの期間で日足、週足チャートによる上昇を確認して判断するという。転換を見誤ったとの判断は遅くとも1週間で見極めて損切りする考えだ。

(日経マネー 南毅)

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