2019年6月17日(月)

高級路線でミラーレス一眼参入 レンズの充実に期待 富士フイルム「FUJIFILM X-Pro1」

2012/3/8 7:00
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富士フイルムの「FUJIFILM X-Pro1」

富士フイルムの「FUJIFILM X-Pro1」

富士フイルムは、同社初のレンズ交換式ミラーレス一眼デジタルカメラとなる「FUJIFILM X-Pro1」を2月18日に発売した。高級ブランド「Xシリーズ」の第4弾という位置づけ。

受光素子をランダムに配置した新開発のセンサーを搭載し、画像の乱れである「モアレ」や本来とは違う色が出る「偽色」といった従来のデジカメの構造的な問題を、光学ローパスフィルターを使わずに解決。レンズ本来の解像力や描写力を引き出すようにした。

独自の「Xマウント」はマウント面からセンサーまでの距離(フランジバック)は17.7mmと最短クラス。交換レンズの一番後ろのレンズ球からセンサーまでの距離(バックフォーカス)も短く、周辺光量の低下を防いで隅々まで高い解像度を実現し、より自然な表現を可能にした。

ファインダーは光学式と電子式の「ハイブリッド」型を採用、広角用レンズと標準画角レンズに合わせて手動・自動で切り替えが可能。実際に撮影される範囲よりも広く視認できるため、周囲の環境変化を計算しながら構図を決められる。交換レンズは3種類で、単焦点の27、53、91mm(いずれも35mmフィルム換算)。

ボディーはエンボス加工の合成皮革で高級感を演出するとともに、握りやすさも追求した。本体カラーはブラック。価格は本体のみで15万円前後、年間販売目標は20万台。

【日経産業地域研究所研究員の視点】

ソニーの「NEX-7」をベンチマーク商品として採点した(ベンチマーク商品の概要は下記)

ソニーの「NEX-7」をベンチマーク商品として採点した(ベンチマーク商品の概要は下記)

「これはすごい」。カメラマン歴40年のベテランが思わずうなった。しかしすぐに続けて「これを使いこなせる人は少ないんじゃないかな」。プロを納得させる本格的な作り込みだが、コンパクトデジカメからの入門モデルとしては少々ハードルが高いということだろう。

「カメラ女子」市場を開拓し続けるミラーレス一眼の主流は小型・軽量・簡単操作の「とっつきやすい」モデル。しかし、富士フイルムは「本格的な写真撮影にこだわる女性が増えつつある」とみており、Xシリーズ第1弾のX100の購買者の「4割が女性」という結果からも、女性に敬遠されることはないと判断したという。

ミラーレス一眼はレンズ交換も楽しみの一つ。今回は単焦点の3種類を同時発売した。27mm(35mmフィルム換算)は小型・軽量な"パンケーキタイプ"の使いやすい広角レンズとして、画像周辺部までの高い解像感をもつ。53mm(同)は人間の眼に近い画角を持ったスタンダードな焦点距離の標準レンズで、スナップ撮影に適し、開放値F1.4という明るさも特徴。中望遠レンズ91mm(同)は美しいボケ味と高精細な描写を両立、ポートレート撮影で威力を発揮し、最大撮影倍率0.5倍でマクロ撮影ができる。

本体だけで15万円、レンズも5万円以上と一眼レフに匹敵する高価格だ。ミラーレス一眼ではレンズとセットにしたキット販売が一般的だが、同社はこれも実施しない方針。「新規参入の後発なので最高の画質・性能にこだわった。価格もあえて抑えようとはしなかった」(電子映像事業部の曽我孝担当課長)。

今後、アダプターによる既存レンズの活用やズームレンズの発売でレンズの選択肢が広がれば、一眼レフのサブ機ではない、独立した市場を確立する可能性もある。

価格15万円前後(本体のみ)
販売目標年間20万台
発売2月18日
撮像素子23.6×15.6mm(APS-Cサイズ)X-Trans CMOS
有効画素1630万画素
サイズ、重量139.5×81.8×42.5mm、約450g(バッテリーなどを含む)
ISO感度200~6400
液晶3型(約123万ドット)

【ベンチマーク商品】

ソニーのミラーレス一眼カメラ「NEX-7」。119.9×66.9×42.6mm。約350g(バッテリーなど含む)。本体色はブラック。ソニーのミラーレス一眼「NEX」シリーズの最上位機種。撮像素子に有効画素数2430万CMOSを採用、より高精細の写真や動画が撮影できる。液晶モニターのほか、0.5型(約235万ドット)の有機EL電子ビューファインダーを搭載。本体正面と背面の計3つの操作ダイヤルで各種設定を素早く調整できる。当初は2011年11月の発売予定だったが、タイの洪水被害の影響で延期、2012年1月27日に発売された。実売価格は本体のみが13万円前後、ズームレンズキットで14万5000円前後。

「新製品ウオッチャー」では、日経産業地域研究所が選んだ注目の新製品を、同業他社や販売店の担当者、評論家など3~5人の専門家が評価。新規性など12項目で競合製品(ベンチマーク商品)と比べた優劣を「非常に優れる」(6点)から「同等」(3点)、「非常に劣る」(0点)までの7段階で各専門家が採点し、その平均を算出しています。

■より詳しく知りたい方は「日経消費ウオッチャー」オンライン・データベース(有料)で

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