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インテル、立体構造の半導体量産へ 省電力で高性能

年内に量産するMPUに使うトランジスタ。左上から右下に進む「フィン」が立体的な構造になっている

【シリコンバレー=奥平和行】半導体世界最大手の米インテルは4日、立体的な構造のトランジスタを使ったMPU(超小型演算処理装置)の量産を年内に始めると発表した。同社従来品に比べて大幅な性能向上や省電力化を実現できるのが特徴で、性能を据え置けば電力消費量を50%以上削減できるという。サーバー向けやパソコン向けに幅広く新技術を活用する。

従来のMPUには立体的な「フィン」が存在しない

これまで50年以上にわたって半導体チップの上に形成するトランジスタは平面的な構造をしていたが、立体的な構造を取り入れることで電気の流れをきめ細かく制御して性能を向上させたり消費電力量を減らしたりすることが可能。トランジスタの集積度を高めることで機能向上や小型化にも寄与する。

インテルは現在、回路線幅が32ナノ(ナノは10億分の1)メートルのMPUを生産しているが、年内に22ナノメートルの製品(開発コード名・アイビーブリッジ)の量産を始める。この製品に立体的な構造のトランジスタを取り入れる方針で、2012年にサーバー向けやパソコン向けとして販売を始める見通し。スマートフォン(高機能携帯電話)などへの搭載も視野に入れている。

半導体業界ではインテルの創業者の一人であるゴードン・ムーア氏が1965年に提唱した「トランジスタの集積度は2年ごとに倍増する」という「ムーアの法則」が有名で、これを実現することによりIT(情報技術)機器の性能向上や低価格化が進んできた。だが、ここ数年は微細化技術が進んだこともあり限界が指摘されてきた。

同日、米サンフランシスコで開いた記者会見で同社シニアバイスプレジデントのビル・ホルト氏は「新たな技術はムーアの法則の継続に寄与する」と説明。ムーア氏も「基本的な構造に関する変更は非常に斬新な取り組みであり、新技術により歴史的な技術革新のペースが維持される」とのコメントを発表した。

インテルはパソコンの頭脳にあたるMPUでは世界シェアの約8割を握るが、市場が急拡大しているスマートフォンや「タブレット」と呼ばれる多機能携帯端末では存在感が低い。もともとパソコン向けに設計された同社のMPUは競合製品に比べて電力消費量が多く敬遠されてきたが、新製品はこうした市場で巻き返す切り札にもなりそうだ。

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