機能限定のスマホ 親は安心、子供には物足りなさ シャープ「スマートフォン for ジュニア SH-05E」(通信会社はNTTドコモ)

2013/3/13 7:00
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シャープの「スマートフォン for ジュニア SH-05E」(通信会社はNTTドコモ)

シャープの「スマートフォン for ジュニア SH-05E」(通信会社はNTTドコモ)

シャープは小学校高学年や中学校低学年を主な対象とした子供向けスマホ「スマートフォン for ジュニア SH-05E」をNTTドコモに供給、ドコモが2月1日に発売した。子供に使わせても安心なスマホを目指し、「spモードフィルター」で有害サイトをブロックでき、アプリのダウンロード制限を設定することができる。さらに、電話帳に登録した相手だけに電話やメールができるように制限したり、使い過ぎを防ぐために深夜の利用をできなくしたりする機能もある。

ドコモの「イマドコサーチ」を契約すると子供の居場所を地図で確認できる。防犯ブザーも付き、サイドボタンを長押しすると、防犯ブザーが鳴るとともに、あらかじめ登録しておいた連絡先に自動で発信できる。

4.1型画面で、インターネットを使って調べものができたりするほか、地図や英和・和英辞書、時間割、「電子書籍ガラパゴスジュニア」など勉強に役立つアプリを用意した。人気の「モンスターハンター」、頭を使う「どうぶつしょうぎ」などのゲームも入る。パソコンから音楽を取り込むことも可能。

1210万画素カメラを搭載、写真撮影ができるほか、おサイフケータイ、赤外線通信、防水・防じん機能にも対応した。NTTドコモの高速通信サービスLTE(ブランド名はXi=クロッシィ)に対応、ドコモは端末の発売に合わせて、定額料が月額2980円で使えるパケット定額サービス「Xiパケ・ホーダイ for ジュニア」の提供も始めた。

本体色はブルー、ピンク、ホワイト。実売価格は6万円台半ば、販売目標は年間30万台。

【日経産業地域研究所研究員の視点】

絶対評価に基づき採点した(子供向けをうたう携帯電話は、従来型携帯電話で防犯ブザー付きのシンプルなモデルが各キャリアから出ているが、スマホではまだ他にないため)

絶対評価に基づき採点した(子供向けをうたう携帯電話は、従来型携帯電話で防犯ブザー付きのシンプルなモデルが各キャリアから出ているが、スマホではまだ他にないため)

ドコモが新製品の説明資料で引用したデジタルアーツ社の「未成年の携帯電話・スマートフォン使用実態調査」によると、中学生のスマホ利用率は2011年12月に10%だったのが、2012年7月に26%になり、小学生も同時期に7%から15%に伸びた。並行して、小中学生自身のスマホの「利用意向」については、2012年7月時点でそれぞれ8割強と高く、「スマホを使いたい」という子供が多いことが分かる。

一方で、小中学生の自分の子供に「スマホを使わせたい」という親は少ないと思われる。スマホにすると月額料金が高くなるうえ、ネットが使いやすくなるために、出会い系サイトや有害画像閲覧などの危険が増すためだ。ゲームやソーシャル系のサービスに夢中になったり、アプリで端末から個人情報が抜き取られたりする可能性もある。

今回のスマホはそういった親の心配に対応した、やや低料金のサービスを用意したり、端末に各種の制限機能を備えたりしたのが特徴だ。もともと有害サイトをブロックするほか、親の側で電話・メール・ネットの利用やアプリダウンロードを制限できるというのは、親の安心感につながるだろう。スマホなのでネットでの調べ物が従来型携帯電話よりはしやすいほか、学習アプリなどがプリインストールされているのも便利だ。

一方で、「グーグルプレイ」からのアプリはダウンロードできないなどの制限が課題となる部分もある。中学生くらいの子供がスマホを欲しがるのは、友人の間で話題の「パズドラ」(パズル&ドラゴンズ)、「なめこ」(おさわり探偵なめこ栽培キット)などと呼ばれるゲームや、無料通話アプリの「LINE(ライン)」を使いたいといった理由も多い。しかし、今回のスマホではそうしたアプリは使えないし、学習アプリも追加はできない。

その意味で、「中学生は魅力を感じず、中途半端となる可能性が高い」という声もある。一方で、「スマホ時代に子供が持つ端末としては十分」「親が子供に持たせるスマホとしては機能制限が安心」との見方も少なくない。子供の好みを重視するか、親が主導して購入するかが購買動向に大きな影響を与えそうだ。

価格実売6万円台半ば
販売目標年間30万台
発売2月1日
OS米グーグル「アンドロイド4.0」
CPU米クアルコム MSM8960 デュアルコア(1.5GHz)
内蔵メモリー(ROM/RAM)8GB/1GB
画面サイズ約4.1型液晶(解像度960×540)
連続通話約6時間10分(3G)/約80時間(LTE)
連続待ち受け約450時間(3G)/約290時間(LTE) 
バッテリー容量1660mAh
カメラメーン:有効画素数約1210万CMOS、サブ:同約32万CMOS
サイズ、重量幅約63×高さ117×厚さ10.6mm、約120g

「新製品ウオッチャー」では、日経産業地域研究所が選んだ注目の新製品を、同業他社や販売店の担当者、評論家など3~5人の専門家が評価。新規性など12項目で競合製品(ベンチマーク商品)と比べた優劣を「非常に優れる」(6点)から「同等」(3点)、「非常に劣る」(0点)までの7段階で各専門家が採点し、その平均を算出しています。

■より詳しく知りたい方は「日経消費ウオッチャー」オンライン・データベース(有料)で

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