美食を極めた名店を訪れる 続・食を愉しむ旅(4)
ナショナル ジオグラフィック日本版

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2012/8/11付
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 ナショナル ジオグラフィックが提案する世界の食を愉(たの)しむ旅を紹介する本シリーズ。今回は中国・北京とロシア・モスクワでとびきりの美食の名店を訪ねる旅を取り上げます。

~中国 北京の高級料理~

北京の中心に立つ紫禁城。約500年間にわたって皇帝たちの居城だった。(C)sunxuejun/Shutterstock

北京の中心に立つ紫禁城。約500年間にわたって皇帝たちの居城だった。(C)sunxuejun/Shutterstock

 中国経済の著しい発展によって、北京では優れた中国料理店だけでなく、世界各地から出店してくる一流のレストランが急速に増えている。

北京の高級料理といえば、かつてはフカヒレにアワビ、ツバメの巣など高級食材を使ったコース料理が定番だった。しかも、味を楽しむというよりは、客に対して富や権威を誇示するための宴席という意味合いが強かった。店員は必ずといっていいほど無愛想で、店の装飾も安っぽかった。

ところが今や、中国の料理学校は一流の人材を輩出している。そのうえ、以前は外国人に門戸を閉ざしていたこの町にも、世界中から大物シェフが次々と進出してくるようになった。

北京で中華料理以外のものを食べたいからといって、もはや外資系ホテルに出向く必要はない。たとえば、ニューヨークのダニエル・ブールーが米国大使館だった建物に開いた「メゾン・ブールー」。ここでは、かつて外交官たちを迎えた堂々たる新古典様式の建物で、地元の素材を使った米国風のフランス料理を堪能できる。

外からやってきたシェフたちは、中国料理自体をも進化させていく。シンガポール出身のジェレミー・リョンは、「ワンポア・クラブ(黄浦会)」を開いて、奥行きのある魅力的な中国料理を生み出した。リョンの店は中庭がある伝統的な建物の中にあり、鳥かごに入った電球がいくつも飾られた印象的なロビーを過ぎると、メインのダイニングルームは金魚の水槽を通した照明で照らされている。

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■ベストシーズン 一番のおすすめは9~10月。次は4月と5月初め。

■旅のヒント レストランは予約すること。ディナーよりランチの方がかなり安い場合が多い。ソフィテル・ワンダホテルの中にある優雅な「ル・プレ・ルノートル」で古典的なフランス料理を堪能した翌日は、「ホライズン」で洗練された広東料理を味わいたい。

【見どころと楽しみ】
<地方の豊かな味わい>
・海外で中国料理を食べると、広東料理の主なメニューを現地風にアレンジしている場合が多い。だが、実際の中国料理は、地方によってかなり異なる。しびれるように辛い四川、唐辛子をきかせた湖南、杭州の中でも繊細な淮陽、甘く油っこい上海、酸味の強い広西、酢を生かした山西、そして風味豊かな雲南など、その味はきわめて多彩だ。
・北京には中国全土から才能あふれる一流の料理人が集まっており、旅行者も北京市民とともにその恩恵にあずかることができる。
・香辛料をきかせた油でナマズの切り身を調理した、四川風の水煮魚はぜひ試してみたい。香菜と蒸した豚肉を竹筒に入れて出す竹筒紙包魚は、雲南省の少数民族、ダイ族の伝統料理。また魚を紙で包んで調理する秘伝の料理秘制紙包魚は、南東の山地に伝わる客家(はっか)料理だ。
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