中国、大国の政治力で先行、輸送インフラ受注7兆円 日本の13倍
ライバルも虎視眈眈

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2012/6/5 12:38
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世界のインフラ市場で勢力を急拡大しているのが中国だろう。中国政府は大国としての政治力と資金力を武器に、国有企業による受注を強く後押ししている。2010年までの4年間累計では輸送(交通運輸)系インフラの受注額が日本の13倍の約7兆円だった。韓国も高速鉄道などを軸に拡大に動く。両国とも日本にとって一段と手強いライバルになりそうだ。

中 国

3月23日、北京で会う中国の胡錦濤国家主席とインドネシアのユドヨノ大統領=AP

3月23日、北京で会う中国の胡錦濤国家主席とインドネシアのユドヨノ大統領=AP

「中国企業がインドネシアのインフラ建設などに参加することを政府として支援していく」。3月23日、北京市の人民大会堂。胡錦濤国家主席が提案すると、インドネシアのユドヨノ大統領は笑顔を浮かべて、「その提案に全面的に賛成したい」と応じた。

両首脳は会談直後、総額170億ドル(約1兆3600億円)に達する経済協力文書に署名した。最大の目玉はジャワ島とスマトラ島を結ぶ「スンダ海峡大橋」。日本企業も狙う1兆円規模の巨大プロジェクトでは、中国国有の建設大手、中国鉄道建築総公司の参加で基本合意する形となった。

インドネシア政府は14年の着工を目指す。今後は正式な受注を巡って激しい競争になる。官民一体の中国は優位だ。中国政府は今回の経済協力でインドネシア側が求めた製鉄やセメントの工場建設に伴う最新技術の供与や資金提供にも応じた。インフラビジネスの世界において、中国のように国家指導者が相手国の首脳と直接会談して即断即決できるのは何よりの強みとなる。

温家宝首相は1月にサウジアラビアとアラブ首長国連邦(UAE)を訪問して、合計1000億元(約1兆3000億円)の経済協力で合意し、インフラ投資などの拡大を進める。賈慶林・全国政治協商会議主席も1月にアフリカ連合(AU)首脳会議に出席し、AUに3年間で6億元(約70億円)の無償援助を表明している。

■コスト競争強み

アフリカでは中国が独走状況にある。格付け会社フィッチ・レーティングスの調査によると、中国の国有銀行、中国輸出入銀行が01年から10年にかけて実施したアフリカ向け融資は672億ドルで、世界銀行の547億ドルを超えた。巨額資金が輸送インフラの整備に使われ、文字通り地盤を築いている。

中国の企業も攻めに出ており、先進国でも存在感を高めている。象徴例が重機大手、振華重工(上海市)が深く関与した米国カリフォルニア州サンフランシスコ地区の巨大つり橋(13年開通予定)。1989年の地震で破損した大橋の再建工事は総事業費が72億ドルとされる。

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