必然だったビットコイン騒動 原点は20年前に
編集委員 関口和一

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2014/3/6 7:00
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利用者はクレジットカード会社の厳しい審査を受ける必要がなく、安い手数料で誰でもすぐ利用できる。ビットコインと同様、大手の金融機関ではなくベンチャー企業だからこそ作り出せたサービスといえよう。冒頭紹介したウーバーやヘイローなどのタクシーの配車・決済サービスも第3期のニューフェースに含まれる。

ビットコインの普及は1期でもなく2期でもなく、ネット全盛時代に登場したことが大きかった。また初めから国際的な決済に使えたことが利用を広げる原動力となった。

■ベンチャーが起こす金融革命

スクエアの米本社には創業者の言葉を刻んだレリーフが飾られている

スクエアの米本社には創業者の言葉を刻んだレリーフが飾られている

筆者は今年初め、米サンフランシスコにあるスクエアの本社を訪ねた。社内はワンフロアを見渡せるソフト会社のようで、金融サービス会社のイメージとはほど遠い。社内のカフェテリアには「iPad」を使ったスクエア対応のレジスターが置かれ、カードの読み取り装置が一体化されていた。美しいデザインに仕上がっており、読み取り装置が何台も散らばっている日本のレジまわりとは大違いだった。

真っ白な壁には創業者のドーシー氏の言葉「Make commerce easy(商業を簡単にする)」がレリーフとして掲げられていた。カード読み取り装置が最新の切手大にたどり着くまでの試作品が順番に壁に飾ってあり、この小さな会社が猛スピードで金融業界に革命を起こしたことを実感した。

スクエア本社を訪ねるため偶然拾ったタクシーの女性ドライバーもスクエアの愛用者。「カード会社に高い手数料を払う必要がなく、3年使っているが特に問題はない」という。仲間にはウーバーを使っているドライバーもいるそうで、サンフランシスコの古風な街並みに新たな電子マネー革命が息づいていた。

ところで電子マネーや電子決済は大別すると3つの方式に分かれる。まずエディやスイカなどのICカード型。現金の価値をICチップに記録し、それを読み取り装置で引き出しながら使うタイプだ。米VISAインターナショナルが1996年のアトランタ五輪で投入した「VISAキャッシュ」や英国の「モンデックス」などもこの形だ。同じようにICカードを使うが、金融機関に預けてある預金口座から現金を引き落として使う「デビットカード」とは区別される。

もう一つの「支払い指示型」と呼ばれるのが、ネットの草創期に登場した米国の「ファーストバーチャル」や「サイバーキャッシュ」など。現金の価値を引き出すというより、特定の口座から別の口座に振りかえを指示するタイプだ。「サーバー決済型」とも呼ばれる。

アフリカの携帯電話大手サファリコムが始めた電子決済サービス「Mペサ」もこの形で、利用者を急速に増やしている。Mペサは携帯電話ショップが窓口となり、ショート・メッセージの指示に従って現金を利用者に手渡す仕組み。アナログ的ではあるが、電子決済の一種といってよいだろう。

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