「電子書籍の権利、現行出版権の拡張で」中川正春氏ら提言
著作隣接権付与から方針転換 経団連の反対に配慮

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2013/4/5 7:00
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超党派の国会議員と出版社、著作権団体関係者などから成る「印刷文化・電子文化の基盤整備に関する勉強会」(座長:中川正春衆院議員)は4日、電子書籍の権利に関する提言を発表した。紙の書籍における「出版権」の規定と同様、電子書籍を発行する出版社に対し、著者と出版社との協議により電子書籍の出版権を設定可能にすることが柱。出版社に著作隣接権を付与するという従来案から方針転換した。

同勉強会は中川議員のほか、自民党の甘利明経済財政・再生相や河村建夫選挙対策委員長など複数の与野党議員が参加している。今後、文化審議会に対して電子書籍の権利の法制化を議論するよう求めるとともに、並行して同勉強会でも議員立法を視野に入れた検討を継続し、早ければ2014年の通常国会で法改正を目指す。

■当初案に反対相次ぐ 中山信弘氏ら新提言取りまとめ

電子書籍にまつわる出版社の権利について提言を発表する中川正春議員(左)(4日、東京・千代田)

電子書籍にまつわる出版社の権利について提言を発表する中川正春議員(左)(4日、東京・千代田)

電子書籍をめぐっては、現行の著作権法では出版社に対する権利付与の規定がない。このため海賊版の電子書籍が出回った際に出版社が差し止め請求できないといった問題があり、出版社が権利付与を求めていた。こうした背景を受けて同勉強会は、出版社に対する著作隣接権の新設を柱とする提言を12年6月に公表した。

しかしこの提言をめぐっては、経団連が「第一に守られるべき権利者の意思が最優先されないおそれがあるほか、権利者数の増加による流通阻害効果も予想される」として反対しているほか、電子情報技術産業協会(JEITA)や日本漫画家協会などからも異論が出ていた。

これを受けて中川議員は13年初頭から、知的財産権法の分野の権威として知られる明治大学の中山信弘特任教授に提言の見直しを依頼。ほかに福井建策弁護士や早稲田大学の上野達弘教授なども加わり、学識経験者のグループが経団連の主張も踏まえた形で新たな提言をまとめた。

■出版社の権利、著作者との契約を前提に

今回の提言では、出版社の権利について現行の出版権と同様「著作者との契約に基づく専用権」と定義。従来の提言では、電子書籍を発行すると出版社が自動的に著作隣接権を得るとしていたが「著作者に由来しない権利は反発が強い。複数の権利が重畳的に存在する状態を避け、なるべく権利を単一化したい」(中山特任教授)として、紙の書籍における出版権と同様、著作者との契約を交わした上で付与する仕組みとした。

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