JR西が廃止区間を復活 広島の可部線、全国初
JR西日本と広島市は4日、同市内を走るJR可部線(横川―可部、約14キロ)で2003年に廃止された路線の一部区間を復活させると発表した。JR各社の発足後に廃止された路線が復活するのは全国で初めて。
JR西によると、終点の可部駅(同市安佐北区)から約1.6キロを電化して延伸する。新たな終点に新駅を設置し、可部駅と新駅の間にも別の駅を新設する計画。
復活区間の沿線は住宅が多いことに加え、安佐北区役所や広島県警安佐北署などの公的機関が集まる。周辺住民らが電化による復活を強く求め、市やJR西などが08年から協議していた。
総事業費は約27億円で、広島市と国が負担。JR西は駅や線路用地などを市から無償で借り受け、軌道など電車の運行に必要な設備の維持や管理の費用を負担する。13年度中に着工し、15年春の開業を目指す。
JR西日本広島支社の杉木孝行支社長は、復活する区間について「人口が密集しており、一定の収益が見込める。地元住民の利便向上につなげたい」と述べた。広島市の松井一実市長は「長い間の願いがかなって喜ばしい」と歓迎した。
JR西は03年12月、広島市内と広島県安芸太田町を結んでいた可部線の約60キロのうち、非電化区間の可部―三段峡間約46キロを廃止していた。〔共同〕