2019年9月23日(月)

市街地で使える無料の公衆無線LAN、京都や福岡で整備相次ぐ 外国人観光客の利便性向上、災害時の連絡手段も念頭に

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2012/7/4 21:15
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利用者はまず、使い捨てのパスワード(ワンタイムパスワード)を得るために、AP周辺のステッカーに記載されたメールアドレスに空白のメールを送信する。そのあとスマホやパソコンなどでAPに接続し、返信されたメールに記載されたワンタイムパスワードを、Webブラウザーで入力することで認証が完了する。なお、ワンタイムパスワードの入力前はAPに接続できないため、外国人旅行者もAPの利用開始時のみ国際ローミングなどの携帯電話回線を使い、ワンタイムパスワードを入手する必要がある。

■福岡や浦安でも広がる無料無線LANサービス

無料の公衆無線LANサービスを設置する動きは、ほかの自治体でも相次いでいる。

福岡市では、4月27日に無料の公衆無線LANサービス「Fukuoka City Wi-Fi」を開始。当初は地下鉄空港線の各駅と市役所ロビー、中心部の天神地区にある観光案内所などで提供していた。6月29日には、地下鉄のAPを全線全駅に拡充したほか、福岡空港や博多港のターミナル、博多駅の観光案内所でもサービスを始め、APは合計41カ所となった。このほか、天神の地下街でも民間事業者による無料の公衆無線LANが利用できる。

東京ディズニーリゾートのお膝元である千葉県浦安市は浦安商工会議所と共同で、市内の公共施設やホテル、飲食店を中心に11年度から3年間で2000カ所のAPを新設する計画を打ち出している。12年4月時点で約130カ所にAPを設置したほか、Android(アンドロイド)搭載スマホで利用できる無料のアプリを開発し、12年2月から提供している。

■外国人観光客の不満解消を主眼に

いずれの自治体も、外国人観光客が多く訪れる地域。自治体が無料無線LANを提供する大きな目的として、外国人観光客の利便性の向上を掲げている。観光庁が12年3月に公表したアンケート調査によると、旅行中困ったこと(複数回答)の1位は「無線LAN環境」で36.7%。2位の「コミュニケーション」(24.0%)、3位の「目的地までの公共交通の経路情報の入手」(20.0%)を大きく引き離し、ほぼ3人に1人が不満を持っている。日本では、外国人登録のない観光客がプリペイドなどの携帯電話回線を持つことができないほか、国際ローミングやレンタル携帯などのサービスは1日数千円のデータ通信料がかかるなど高額で、外国人観光客が気軽に使える通信手段はほとんどないのが実情だった。

こうした状況を踏まえ、観光庁が外国人観光客向けの通信環境の整備を重点施策として掲げるなど、打開に向けた動きが進んでいる。自治体による無料無線LANの整備もその一環といえる。

国や自治体などの行政以外の動きもある。国際空港では成田・羽田・中部・関西などで、各ターミナルビルの運営会社が、海外のハブ空港への対抗策の一環として無料APの整備を進めている。またスターバックスコーヒージャパンは、7月2日にサービスを開始した無料無線LANサービス「at_STARBUCKS_Wi2」において英語のメニュー画面を用意しており、外国人も簡単に利用できるよう配慮している。

(電子報道部 金子寛人)

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