2019年2月19日(火)

「実用に結びつくロボット研究を」3人の研究者が訴え

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2013/9/4付
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図2 早稲田大学創造理工学部総合機械工学科教授の菅野重樹氏のグループが、生物系特定産業技術研究支援センター、前川製作所と共同開発したいちご収穫ロボット

図2 早稲田大学創造理工学部総合機械工学科教授の菅野重樹氏のグループが、生物系特定産業技術研究支援センター、前川製作所と共同開発したいちご収穫ロボット

2013年11月にIEEEとRSJ(日本ロボット学会)が共催する国際会議の実行委員長を務める菅野氏はロボット産業の現状として、ロボットの学会において学術研究が中心になっているため成果が実用に結びつきにくく、ロボット研究とロボット産業が乖離していると語った。

菅野氏は自身の研究として、いちご収穫ロボットを説明した(図2)。このロボットは画像処理で果実の色を判別し、アームを伸ばして熟した果実を傷まないように収穫、収容・搬送できる。収穫に適した果実のうち60%以上を収穫でき、1台でおよそ1000平方メートルの栽培面積に対応できる。

いちごは収穫期間が約6カ月と長く、収穫適期の判別や果実を丁寧に扱う必要があるため作業は人手に頼らざるを得なかった。ロボットの開発によって労働者の負担を大幅に減らせるという。

菅野氏と同様に第一次産業向けのロボットを開発する白井氏は、3種の森林伐採ロボット「巽」「天竜」「モビリティ」を紹介した(図3)。このロボットは安全に樹木を伐採できるという。

図3 早稲田大学理工学術院准教授の白井裕子氏のグループが開発した森林伐採ロボット「天竜」

図3 早稲田大学理工学術院准教授の白井裕子氏のグループが開発した森林伐採ロボット「天竜」

巽はチェーンソーを搭載しており、水平や斜めに動くアームを用いて実際に人間が行うのと同様の動きで木を切り倒せる。

天竜は木を切る伝統的な手法「三ツ紐伐り」を用いている。三ツ紐伐りは木の3方向から斧を入れ、支点を3カ所残し空洞を作り、最後に倒す方向と反対側の支点を切って木を倒す方法である。天竜はエンドミルを使って幹に穴を開け空洞をつくり、三ツ紐切りと同じ手法で木を切り倒す。

モビリティーは2本のアームを地面に突き刺しながら進むことで足場の悪い山道でも滑ることなく移動できる。

白井氏によると、日本の林業では事故による死傷者は年間数十人に及び、新しい機械を導入しても事故が減らないのが現状だという。そのため離れた安全な場所から作業させるロボットが必要と同氏は述べた。

(Tech-On!編集部)

[Tech-On! 2013年9月3日掲載]

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