2019年9月23日(月)

開発者が熱狂 3D仮想メガネがゲームを変える
ジャーナリスト 新 清士

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2013/12/10 7:00
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 頭に装着して3D(3次元)のバーチャルリアリティー(仮想現実)映像を楽しめるヘッドマウントディスプレーが世界中のゲーム開発者の熱い視線を浴びている。米オキュラスVR(カリフォルニア州)の「オキュラスリフト」がそれだ。4月に提供を始めた開発者向けキットは300ドルと安く引っ張りだこ。さらに著名なゲーム開発者が同社に参画したことで業界の関心は一気に高まった。オキュラスリフトは2014年後半発売を目指し、まだ開発中の段階だ。正式な発売日や価格が未定にもかかわらず、開発者たちが熱狂ともいえるほど期待を寄せる背景を探った。

■デモ体験者から驚きの声

田村耕一郎氏の「木造校舎を歩く」のプロモーションビデオ。同じ映像がオキュラスリフトに表示され、プレーヤーは仮想空間の中を動き回ることができる

田村耕一郎氏の「木造校舎を歩く」のプロモーションビデオ。同じ映像がオキュラスリフトに表示され、プレーヤーは仮想空間の中を動き回ることができる

中学校とおぼしき木造の校舎。木製の机と椅子が並ぶ教室に夕陽が差し込んでいる。人気がなくひっそりした教室の中を歩きまわると、どことなく不気味に感じる。そのとき外で「下校時刻になりました。気を付けて帰りましょう」との校内放送。教室の窓から見える森ではセミが鳴いている。やがて太陽が沈み、あたりは暗闇に包まれる……。

国際ゲーム開発者協会日本が11月9日、東京・秋葉原で開催した「東京ロケテゲームショウ2013」。3Dグラフィックスデザイナーの田村耕一郎氏が展示した「木造校舎を歩く」のデモは、表示装置にオキュラスリフトを使用した。ユーザーの両目を覆うオキュラスリフトの内蔵ディスプレーに教室の3D映像を表示し、画面に同期して音が聞こえるように用意されたヘッドホンで音声を流す。デモ体験者はコントローラーを操作し、教室の中を動き回ることができる。

東京ロケテゲームショウで「木造校舎を歩く」をプレー中の参加者。左手に持ったコントローラーを操作して校舎の中を移動する

東京ロケテゲームショウで「木造校舎を歩く」をプレー中の参加者。左手に持ったコントローラーを操作して校舎の中を移動する

「おお、うわっ」「何ですか、これは」。展示コーナーでオキュラスリフトを体験した人から次々に驚きと戸惑いの声があがった。まるで自分が教室の中にいるかのような、映像への没入感の高さがオキュラスリフトの大きな魅力だ。多くの人が従来にないリアルな映像体験に圧倒されたようだった。田村氏の作品に「ホラーゲームがそのまま作れますね」と感想を漏らす人もいた。

オキュラスリフトはソフトウエア側のリアルタイム3D表示プログラムを大きく変更することなく、容易に3D映像を表示できる。今回のデモ映像も、田村氏が2年前に作製した試作品を対応させたものだ。作業はそれほど難しいものではなかったという。

ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が日本で来年2月に発売する「プレイステーション(PS)4」やマイクロソフトの「XboxOne」といった新型家庭用ゲーム機は最先端の映像表現能力を持っている。一方で、家庭用ゲーム機としては成熟期に入りつつあるともいえる。テレビモニターへの表示を前提にして映像をより精細・美麗化する技術は、ゲーム体験そのものを劇的に変えるほどのインパクトは持ちえないからだ。

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