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韓国船、救命いかだは使用不能 発覚恐れ待機指示か

【ソウル=共同】韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、甲板に設置されていた40以上の救命いかだのほぼ全てが使用不能で、乗員が事故前からそのことを認識していた疑いが強まっている。

船員らは沈没直前、船内放送で乗客に待機するよう指示し、犠牲者が拡大した。乗客が脱出を図ればいかだの欠陥が発覚するため、あえて待機を命じた可能性があり、捜査当局は逮捕したイ・ジュンソク船長(68)らを追及している。

事故では4日、新たに6遺体が収容され、これまでの死者は242人、行方不明者は60人になった。

甲板には少なくとも42のカプセル入りのボートが備えられていた。正常なら、カプセルを海に落とせば中からいかだが飛び出し、甲板に付いたまま水没すれば固定器具が自動的に外れ、いかだが海面に浮き上がる仕組み。しかし、沈没直後に浮かんできたいかだはなかった。

船長脱出時の映像に、救命いかだのカプセルを海に落とそうと試みる警察官の姿が映っている

船長脱出時の映像に、救命いかだのカプセルを海に落とそうと試みる警察官の姿が映っている

救助活動を行った韓国海洋警察の警察官は、甲板からカプセルを海に落とそうとしたが、固定器具がさび付き、手で外せなかったとメディアに証言。この警察官は2つのいかだを足で海に蹴落としたが、うち1つは開かなかった。

海上交通管制センターは沈没前、いかだを使って乗客を助けるよう無線で指示したが、乗員は従わなかった。イ容疑者は「潮流が速く、乗客が流されると思って待機を指示した」と供述。乗員がいかだを使おうとした気配はなく、使用不能だと認識していた疑いが強まっている。

KBSテレビによると、2月の安全検査で救命設備は「良好」と判定されていた。捜査当局は、検査機関が船の運航会社と癒着し、検査を手抜きした疑いがあるとみている。

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