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三菱重工、傘まで中空のエンジンバルブを日産「GT-R」に納入

三菱重工業は、エンジンバルブの傘(ヘッド)の部分まで中空になった「傘中空バルブ」を、日産自動車向けに2011年11月から出荷していることを明らかにした。日産は、軽いだけでなく、冷却効率が高くノッキング防止による大幅な燃費向上が見込める点を評価し、同社の「GT-R」の12年モデルに採用した。鍛造による独自の中空一体加工技術で、同種の中空バルブに比べ製造コストを抑えられる点を強みに、自動車向けを中心とする幅広い受注を開拓していく。

各種の弁の断面。右が傘中空バルブ

傘中空バルブは、円柱状の金属材料から、プレス機械を使って空洞を作り出す工法で製造する。傘部に溶接による継ぎ足し部分がないため、高い強度を確保できる。従来と違ってドリルや放電加工による穴あけ工程が要らない。この技術は、戦前から航空機用エンジンバルブ製造技術として保有していたノウハウを磨き上げたもの(傘中空バルブの製造工程については「日経Automotive Technology」2010年11月号で詳述)。

「GT-R」の12年モデル。写真はPure edition For TRACK PACK装着車

中空部分に金属ナトリウムを封入することで、熱伝導率が増大し傘側が良く冷える。質量は通常の中実バルブに比べ約15%減少。バルブの最高温度を約600℃と従来より100~200℃下げられることから、燃費を向上させるために圧縮比を高めても、温度があまり上がらなくなるため、出力低下につながるノッキングを防ぐことができる。さらに、高価な高耐熱性材料を使わずに、コストダウンにつなげることも可能。

「GT-R」の12年モデルでは、各気筒2本、計12本の排気弁を傘中空バルブとした。JC08モード燃費を11年モデルの8.6km/Lから8.7km/Lに上げた。また最大トルクを612N・mから632N・mに、最高出力は390kWから404kWに上げた。これには傘中空バルブが大きく寄与している。

(日経Automotive Technology 浜田基彦)

[Tech-On! 2012年8月2日掲載]

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