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被災地に植物工場、自然エネルギーを最大活用 グランパファーム 陸前高田で
編集委員 滝順一

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2012/9/5 7:10
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 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた岩手県陸前高田市の沿岸部の一角に真っ白なドームが立ち並ぶ。地下水や太陽熱など自然エネルギーを最大限活用した植物工場技術を実証する国のプロジェクトの一環で建てられた。事業を担当する農業生産法人グランパファーム(本社横浜市)の山田篤志プロジェクトマネージャーと、コンサルタント役の三菱総合研究所の伊藤保主任研究員に事業の狙いと現状などを聞いた。

グランパファームの山田篤志プロジェクトマネージャー(右)と三菱総合研究所の伊藤保主任研究員
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グランパファームの山田篤志プロジェクトマネージャー(右)と三菱総合研究所の伊藤保主任研究員

 ――8月上旬に初出荷し本格稼働を始めたそうですが、何を育てて、どこに出荷したのですか。

 「フリルレタスやロロロッサなどサラダ用のレタス類を栽培し、地元のスーパーや大手スーパーの東北地域にある店舗、外食産業向けに出荷した。8棟の栽培施設がフルに稼働すると毎日450~500株出荷できる。年間を通じて同じ品質の野菜を同じ値段で供給できる。外食産業では値段は少々高くても安全安心な食品を求める声が強い」

 ――独特の円形ドームの特徴は?

円形の栽培水槽に1万4250株の苗が整然と並ぶ(岩手県陸前高田市)
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円形の栽培水槽に1万4250株の苗が整然と並ぶ(岩手県陸前高田市)

 「面積の有効活用が狙いだ。多くの植物工場では、長方形のパネルに苗を植えている。植物の生育に伴い株の間隔をあけるため置き換える必要があるが、独自に開発した円形水槽のシステムではそうした置き換えの手間が要らず、単位面積当たり約2倍の栽培ができる」

 「直径20メートルの円形水槽で常時、1万4250株を育てる。円形水槽の中心部に新しい苗を植えると、苗を載せたフロートが回転しながら外周部に苗を順次押し出していく仕組みだ。周縁にいくほど株の間隔が広がるため置き換えなくても済む。ほぼ1カ月で最外周に達したところで収穫すればよい」

陸前高田市内に8棟の円形ドーム型の植物工場が建った
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陸前高田市内に8棟の円形ドーム型の植物工場が建った

 「人工光でなく太陽光で育てるのも特徴だ。直径約29メートルのドームは光を通すフッ素樹脂製の膜でできている。東京ドームと同じで空気圧で内側から膨らませ支える。膜は太陽光を散乱させるためドーム内では上方からだけでなく、様々な方向から満遍なく植物に光があたる。雪原や海上と同じで非常に明るく感じられるはずだ」

 「内部の温度や湿度の管理はコンピューターで制御されており、必要な時に自動的に天窓があいたりミスト(霧)を噴き出したりして、栽培に最適な条件になるよう調節する」

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