2018年11月13日(火)

中国山東省で「低速EV」産業のダイナミズムを見てきた

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2012/9/5 7:00
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(1)多種多様、(2)低価格、(3)強気で楽観的――。中国の山東省で勃興しつつある低速電気自動車(低速EV)産業の特徴を3つの言葉で表現しろと言われればこうなる。

同省の省都・済南市で、低速EVの展示と即売に特化したイベント「中国(済南)国際新エネルギー自動車、電気自動車および部品展覧会」が2012年8月18日から3日間にわたって開催された。これを機に筆者は現地に赴き、低速EVの技術や市場動向について調査してきた。ごく一部ではあるが、そのエッセンスをご紹介したい。

■低速EVが「よりどりみどり」

低速EV産業の特徴の第1点である驚くほどの多様性は、イベントの会場に足を踏み入れた途端にすぐに理解できる。車種として乗用車や業務用車両が実に多彩な仕様で造られているのはもちろん、車両の構造(大きさや用途、車室の有無など)、素材や部品の選択といった点でも極めて幅が広い。

このようにバラエティーに富む低速EVを多少強引にでも分類するならば、一般的な自動車に近いタイプ(最高時速50km程度)と、同30~40kmの簡易タイプの2つということになろう。

前者の一般的な自動車に近いタイプにおいては、車輪が4個で定員4人の大きさを備え、鋼製の車体にリチウム(Li)イオン電池を搭載した製品の登場が目立った。中国の低速EVが用いている電池の主流は、まだ鉛蓄電池である。安価で流通量も多いからだ。Liイオン電池を搭載する例はまだ珍しいが、電池のサイクル性能が1桁上のLiイオン電池の採用によって商品価値を高めて、競合製品と差異化を図ることが可能になる。今回のイベントでも、時風集団や宝雅集団などの大手企業を中心にLiイオン電池の搭載車を展示した企業が少なくとも数社は見られた(図1)。

図1 山東久力電子科技が展示したLiイオン電池搭載EV。ベース車両はBYD社製 (撮影:テクノアソシエーツ)

図1 山東久力電子科技が展示したLiイオン電池搭載EV。ベース車両はBYD社製 (撮影:テクノアソシエーツ)

電池だけでなく、ガソリンエンジンと発電機を搭載し、航続距離を延長可能な「レンジエクステンダー型」の低速EVも登場した。例えば済南順航車業は、発電機を低速EVのオプションとして販売している(図2図3)。低速EV本体の車両価格は2万元(日本円換算で約25万円)、発電機は1200元(同約1万5000円)である。同社代表の李振亮氏は、同社顧客の90%が発電機付きの低速EVを購入すると胸を張る。

図2 済南順航車業の低速EV (撮影:テクノアソシエーツ)

図2 済南順航車業の低速EV (撮影:テクノアソシエーツ)

図3 済南順航車業の低速EVではオプションで発電機を選択可能。だいだい色の鉛蓄電池の左側にあるキャップの付いた部分がガソリンを燃料とする発電機 (撮影:テクノアソシエーツ)

図3 済南順航車業の低速EVではオプションで発電機を選択可能。だいだい色の鉛蓄電池の左側にあるキャップの付いた部分がガソリンを燃料とする発電機 (撮影:テクノアソシエーツ)


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