デジタルで攻めるKADOKAWA コミックを世界へ無料同時配信

(3/3ページ)
2014/3/3 19:25
保存
共有
印刷
その他

社会現象を起こし最近映画化で再び人気が高まる「新世紀エヴァンゲリオン」もカラー版を配信する。イラスト/貞本義行 (C)カラー・GAINAX

社会現象を起こし最近映画化で再び人気が高まる「新世紀エヴァンゲリオン」もカラー版を配信する。イラスト/貞本義行 (C)カラー・GAINAX

一方で海外ファンの間では不満がくすぶる。コミック雑誌に掲載されてから数カ月以上先にならなければ作品が読めないからだ。紙を媒体に使う以上、日本で単行本化した後、それを翻訳して海外の出版社を介して流通させるにはどうしてもタイムラグが生じてしまう。

■「エヴァ」の世界同時発売の成功が背中押す

背中を押したのは12年11月に欧米や中国、ブラジルなど世界15の国や地域で発売した「新世紀エヴァンゲリオン」の13巻の成功だ。紙に加えて電子書籍でも初めて世界同時に市場へ投入したところ各地でヒット。「デジタルで正規のものをスピーディーに現地に届ければ、世界に広がるコミックファンの心をつかむことができ、結果としてアングラサイトもつぶせるはず」(井上専務)と判断した。

多言語に対応した無料のコミックサービスは、ソーシャルゲームのディー・エヌ・エー(DeNA)も昨年12月に「マンガボックス」を開始し、累計300万ダウンロードと好調に利用者数を伸ばしている。作品数はまだ38と少ないが、講談社や小学館などの協力を得て人気作品をラインアップしたのが奏功したようだ。

これまで漫画やアニメは日本の文化を世界に発信する「クールジャパン」の主役とされてきたが、収益化の面で必ずしもうまくいっていなかった面がある。KADOKAWAなどデジタルを武器にした新たな取り組みがスタートしたことで、違法なコンテンツ流通から読者を引きはがす機運が高まる。正規のコンテンツへ読者を誘導することで確実に収益に結びつけられれば、出版社にとってのクールジャパンは大きく前進することになる。

(電子報道部 高田学也)

  • 前へ
  • 1
  • 2
  • 3
保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]