読書革命前夜…買っていいのか、電子書籍端末

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2012/9/6 7:00
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 米アマゾン・ドット・コムの電子書籍端末「Kindle(キンドル)」の日本上陸が間近だ。これに対し、日本企業からも新しい電子書籍端末や電子書店が相次ぎ登場。さらに、官民ファンドの産業革新機構の出資を受けて出版デジタル機構が発足し、340社以上の出版社が賛同するなど、今年、電子書籍を巡る環境は大きく動いている。本記事では、主な電子書籍端末と電子書店、出版社の最新動向を追った。月刊誌「日経トレンディ」での取り組みを例に、紙の雑誌を電子化する舞台裏も紹介する。

図1 国内で発売中または発売予定の主な電子書籍端末。画面サイズは、右端のソニー「リーダー」と中央の楽天「コボタッチ」が文庫本、左端の東芝「ブックプレイス」が新書本といった位置づけ

図1 国内で発売中または発売予定の主な電子書籍端末。画面サイズは、右端のソニー「リーダー」と中央の楽天「コボタッチ」が文庫本、左端の東芝「ブックプレイス」が新書本といった位置づけ

シャープが運営する電子書店「ガラパゴスストア」。今年(2012年)8月、シャープは、アップルのiOS用アプリを公開し、ガラパゴスストアで購入した電子書籍をiPhoneやiPadなどでも読めるようにした。それまでは、ガラパゴスストアで購入した電子書籍が読めるのはAndroid(アンドロイド)OSを搭載したスマートフォンやタブレット端末に限られていた。

ソニーが運営する電子書店「リーダーストア」も、ここにきて戦略を転換した。これまでリーダーストアで電子書籍を買える端末は、ソニー製の端末だけだったのに対し、今秋から他社のアンドロイド端末にも広げると発表した。

「キンドル近日発売」を6月下旬に日本の自社サイトで表明し、水面下で動いていたアマゾンは間もなく具体的な動きを示しそう。これに伴い、日本の電子書籍ビジネスの動きが一段と活発になってきた。なお、アマゾンは現地時間9月6日に、米国でイベントを予定しており、年末商戦向けの新型キンドルを発表すると見られている。日本向け製品も含まれるか、業界関係者は注目している。

■好ダッシュ見せたコボが修正版を投入

図2 1万円を大きく下回る価格が魅力の楽天「kobo Touch(コボタッチ)」。 楽天が買収したカナダのコボ社が開発した電子書籍端末で、7980円という値段が魅力だ。ボタン類はホームボタンと電源スイッチしかなく、大半の操作は画面タッチで行う。バッテリー駆動時間は約1カ月。ソニー製品と同様に、6型16階調グレースケールの電子ペーパーを採用した。背面は独特な風合いで、ブルー、ライラック、シルバー、ブラックの4色がある。関連書店「コボイーブックストア」の配信書籍数は約3万9000冊(8月末時点)

図2 1万円を大きく下回る価格が魅力の楽天「kobo Touch(コボタッチ)」。 楽天が買収したカナダのコボ社が開発した電子書籍端末で、7980円という値段が魅力だ。ボタン類はホームボタンと電源スイッチしかなく、大半の操作は画面タッチで行う。バッテリー駆動時間は約1カ月。ソニー製品と同様に、6型16階調グレースケールの電子ペーパーを採用した。背面は独特な風合いで、ブルー、ライラック、シルバー、ブラックの4色がある。関連書店「コボイーブックストア」の配信書籍数は約3万9000冊(8月末時点)

日本でのアマゾンの動きに対し、いち早く先手を打ったのは、ネット通販大手の楽天だ。今年7月2日にカナダのコボ社が開発した電子書籍端末「kobo Touch(コボタッチ)」を、これまでの専用端末の価格を大きく下回る7980円で売り出すと発表。同19日から出荷を開始した(図1図2)。

コボタッチは、ディスプレイに6型電子ペーパーを採用。外部ボタンを少なくして画面タッチ中心で使う操作性が特徴だ。4色がそろっているキルト地風の背面デザインも面白い。

売れ行きは発売後1カ月で出荷台数10万台とされ、国内の専用端末としては破格。楽天の曽根崇イーブックジャパン事業副事業長は、「7980円と手頃な価格であること。また、メーカーではない楽天が出すという話題性が受けた」と背景を分析する。

ただ、発売後はトラブルが相次いだ。例えば、初期設定ではコボタッチをつないだパソコンをインターネットに接続する必要があるが、発売当初、サイトへのアクセスが集中し、処理が進まなかった。付属の説明書があまりに簡略で、混乱したユーザーも少なくない。

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