2019年7月24日(水)

F1がHVの「ショーケース」に ホンダ復帰、トヨタは?

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2013/9/11 7:00
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 自動車レースの最高峰、「フォーミュラワン」(F1)が、ハイブリッド車(HV)の技術を競い合う「ショーケース」に変貌しそうだ。発端はF1選手権のレースを世界各地で主催する国際自動車連盟(FIA)が、2014年のシーズンに向けて変更したテクニカルレギュレーション(技術規定)である。2013年を準備期間として2014年から車両規定が大幅に改訂され、最新のエコカー技術をふんだんに盛り込めるようになったのである。

図1 ホンダがF1世界選手権への復帰を発表した記者発表会で握手をする伊東孝紳社長(右)と、パートナーとなる英マクラーレンのマーティン・ウィットマーシュCEO (出典:ホンダ)

図1 ホンダがF1世界選手権への復帰を発表した記者発表会で握手をする伊東孝紳社長(右)と、パートナーとなる英マクラーレンのマーティン・ウィットマーシュCEO (出典:ホンダ)

この変更を受け、いち早くF1への復帰を決めたのがホンダだ。2013年5月中旬にそれを発表した(図1)。一方、量産型HVの販売台数でトップを独走するトヨタもF1に復帰するかどうかが注目されている。F1を舞台にした、トヨタとホンダのHV技術の最高峰を競う戦いを目にすることができる可能性もありそうだ。

■2014年シーズンはエコカー技術ずくめ

F1のテクニカルレギュレーションはどう変わるのか。駆動系の心臓部となるエンジンは、排気量と気筒数が2.4LのV型8気筒から1.6LのV型6気筒へとそれぞれ縮小される。小排気量化による出力不足を補うために、過給器(ターボチャージャー)と加速アシスト用モーター(MGU-K: Motor Generator Unit-Kinetic)の追加が可能になる。

この仕様は、欧州を中心に普及したエコカー技術である「ダウンサイジング過給」と、日本勢のお家芸とも言えるHV化を組み合わせたものだ。1.6LでV6は通常の市販車両での採用例は少ないが、このV6エンジンの半分だけを取ると3気筒800ccとなる。これはダウンサイジング過給技術を採用した市販車で最近よく見られるスペックに近い。

図2 フィアットの「Fiat500 TwinAir」のエンジン (出典:Wikimedia Commons)

図2 フィアットの「Fiat500 TwinAir」のエンジン (出典:Wikimedia Commons)

例えば、独フォルクスワーゲンの小型車「UP!」は、直列3気筒、999ccのエンジンを採用している。伊フィアットの小型車「Fiat500 TwinAir」は、気筒をさらに減らしており、直列2気筒、875ccに過給器を追加した構成のパワートレインを持つ(図2)。

HV化に関しては、MGU-Kの追加によって制動時のエネルギー回収、つまりHVで採用される回生ブレーキの使用が可能になる。これに関しては、運動エネルギー回生システム(KERS)として2009年以降、レギュレーションとして既に認められていたことがあった。今回の変更では、出力の上限が60kWから120kWと倍増された。エンジンが小排気量化されたため、ターボが効き始めるまでの間(ターボラグ)の出力を補うためにもMGU-Kが必須となった格好だ。

さらに、運動エネルギーだけではなく、MGU-H(Motor Generator Unit-Heat)による熱エネルギーの回収も今回の変更で認められた。これにより、過給器とその周辺で発生する熱をMGU-Hの熱電変換素子によって電気に変え、加速用にMGU-Kで使ったり、蓄電池に貯めて後に加速が必要な時に使ったりといったことが可能となる。回生ブレーキの採用では市販のHVが先行していたが、熱エネルギーの回収と再利用ではF1が一歩リードすることになりそうだ。

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