通用しない親世代の常識 ~母と子の444日就活戦争
日経ウーマン編集長 麓幸子 (1)

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2011/3/9 7:00
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 困難さを増すばかりの学生の就職活動(就活)は、今や社会的問題となっています。1年余にわたって現役就活生の親として過ごしてきた日経ウーマン編集長が、自らの経験から見えてきた今どきの就活の驚きの事実とリアルな体験。さらに就活関係者に取材を重ねて浮かび上がってきた「就職大困難時代の乗り切り方」を4回にわたってリポートします。就活中、またはこれから就活を始める子を持つ親は必読。親子で「仕事」「働くこと」を考えるヒントにもなるはずです。

「内定、もらったよ」。

ある土曜日の午後、大学4年の長男から電話があった。

午前中、最終面接に行くと言って家を出たのだが、面接の最後に内定を告げられたという。

「そう、それはよかったね。おめでとう」。

そう言って受話器を置いた後に、心の中で「終わった、ああ、長かった…」とつぶやいた。

この日は2010年12月18日。今の大学生が本格的に就活をスタートさせるのは、大学3年生の秋、具体的には就職情報サイトがオープンして企業にエントリーが始まる10月1日といわれる。長男の就活(就職活動)が2009年10月1日から開始したとすれば、なんと1年2ヵ月以上、日数にすると、444日目にようやく終わったことになるからだ。

スーツは入学式着用のものがストライプ柄だったので、就活に使えず購入。最初の1着がボロボロになり、2着買い足した

スーツは入学式着用のものがストライプ柄だったので、就活に使えず購入。最初の1着がボロボロになり、2着買い足した

1年余にわたる長男の就活に接して、自分の頃の80年代の就職活動とあまりにも様変わりしていることに驚いた。

ウチの子だからこんなに長引いたのか。

しかし、平成22年度卒業予定者の大学生の就職内定率(厚生労働省と文部科学省の共同調査)をみても、2010年10月1日現在で57.6%となっている。その数値はその後もあまり上がらず、12月1日現在でも68.8%にとどまった。これは両方ともこの手法で統計を取り始めた平成8年度以来過去最低の水準となっている。さらに、男女別でみると、男子は70.1%(前年同期比マイナス2.9ポイント)、女子67.4%(同マイナス5.8ポイント)となり、女子学生にさらに厳しい状況になっている。

景気と連動した「氷河期」の再来ではない

つまり、就活を1年以上続けても4割超が就職先が決まらず、さらには、大学4年次の12月、文系であれば卒論の締め切りが迫る頃になってもまだ3割超が、来たるべき春の予定が立たないのだ。

これは異常ではないだろうか。

リーマンショック以降の景気の悪化で新卒採用が絞られているから仕方ないのか。「数年前であれば就活は楽勝だったはずなのに、先輩たちがうらやましい」と学生はほぞをかむしかないのか――。いろんな疑問が親である私にわいてきた。

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