2019年9月15日(日)

通用しない親世代の常識 ~母と子の444日就活戦争
日経ウーマン編集長 麓幸子 (1)

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2011/3/9 7:00
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就職情報サイト「日経就職ナビ」のモニター調査(ディスコ調べ)によると、2011年度学生ひとりあたりの平均エントリー数は91.1社(前年比9.4社増)、エントリーシート提出は23.3社(同2.5社増)、筆記・ウェブ試験15.7社(同4.3社増)と激増している。ウェブでの申請であれば、ある程度のコピペでエントリーシートの一部は作ることができるが、しかし、それが23社ともなると――。それに費やす時間や手間が膨大になるのは想像に難くない。また日経就職ナビの人気企業100社の調査によると57.1%は、ES提出をインターネット経由にしているが、提出書類は手書きと考える企業もいまだ多く、郵送受付も30.1%ある。手書きの場合、文章だけでなく、白紙のコーナーに写真やイラストを使って書き込まなくてはいけない場合もあり、さらに複雑になっている。

2009年12月のある土曜日、息子の大学で開催された保護者対象の説明会に参加した。この大学にとってははじめての保護者向けの説明会だという。400~500人は入る大教室は立ち見まで出るほど満杯だった。そこで、ある企業のデータを聞いて驚いた。文系学生に絶大な人気を誇り、人気企業ランキングの常連である某企業には、エントリーの段階で4万人が登録するという。ES提出が1万2000人、筆記試験や適性検査まで進めるのは8000人、その後、グループ選考段階でも3500人、それから面談を何度か繰り返し、内定が出るのは100人ほどだという。

つまり、競争率は400倍である。

名の知れた有名企業であれば、万単位でのエントリーはもう普通なのだという。親世代でいうと、例えばアナウンサーなどの人気職種のそれは何百、何千倍だったと思うが、いまや女子アナ並みの競争倍率が就活で標準化しているのだ。

「大学受験よりもかなり厳しいことを覚悟してください。皆さんのお子さんがシュウカツで落ちるのは当たり前なんです!」。

大教室のまん前で説明していた女性の声が甲高く響く。その例となった企業には息子もエントリーしていたが、行き先が明るくないことはそこで十分に予想できた。

(3月16日掲載予定の次回に続く)

■参考 「日経就職ナビ保護者版」 https://job.nikkei.co.jp/parents/index.html

麓幸子(ふもと・さちこ)
 日経ウーマン編集長 1962年生まれ。84年筑波大卒、日経ホーム出版社(現・日経BP社)入社。06年より現職。09年より日経ウーマンオンライン編集長兼務。筑波大学非常勤講師を務める
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