2019年8月21日(水)

太陽電池メーカー、「ギガワット競争」に突入

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2010/11/8 7:00
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専門家の判断をブレさせる要因の中でも比重が高いのは、世界最大の太陽電池市場を持つドイツである。ドイツでは2010年5月に、太陽光発電システムの設置規模が十分な水準に達したとして電力買い取り価格の引き下げを行ったばかり。これに続いて、2011年には設置量にも上限を設けるのではとの憶測が、業界関係者の間で飛び交っている。

設置量に上限が設定されれば、当然ながら急ブレーキがかかる。これに対してiSuppli社は、上限設定の可能性は低いとみて、成長維持の予測を立てている。その理由は、ドイツ政府が最近、国民の反対を押し切って原子力発電の拡張に踏み切ったこと。その上さらに太陽光発電などの利用拡大を支持する国民の意見に背いて上限設定をすることまでは、政策的に難しいとみているのだ。

日本市場を見ると、太陽光発電システムの設置量は、このところ200MW/四半期でほぼ横ばいで推移しており、発電した電力の全量買い取り制度が急きょ導入されることでもない限り、2011年にさらに成長することはなさそうだ。

このように2011年の世界の太陽光発電システムの需要の見通しは、まだ不透明な部分が多い。それに加えて今後、不確定要素としてその重さを増してくるのが、蓄電池の問題である。太陽光発電システムの普及が進み、電力会社の送電網の電力品質に影響を与えるくらいになってくると、その影響を打ち消すために蓄電池を大量に設置する必要が生じる。この蓄電池が非常に高額の投資になるのである。

今後、太陽光発電システムの設置を急速に増やそうとすると、補助金や固定価格買い取り制度(FIT:Feed-in Tariff)といった資金的な援助に加え、蓄電池の整備コストが社会負担として重くのしかかる。太陽電池メーカーが猛然とギガワット競争の時代に突入していく一方で、太陽光発電システムの将来にはまだ不安な部分が残っている。

(日経BPクリーンテック研究所 菊池珠夫)

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