2019年9月20日(金)

「自粛よりビジネス、信じて前へ」ジャパネットたかた・高田明社長
日経MJ創刊40周年記念シンポ

(1/4ページ)
2011/6/4 7:00
保存
共有
印刷
その他
 「東日本大震災は消費者を変えた」――。日経MJの創刊40周年記念シンポジウムで、ジャパネットたかたの高田明社長(62)はこう述べた。自粛ムードも漂うが、「復興のためには何よりも消費が大事だ」と強調。ヒット商品を作り出すノウハウを示しながら、「消費は自分で『作る』という意識が大切だ」と語りかけた。おなじみのテレビ通販では「いつも30回ほど撮り直す」といった裏話も飛び出した5月20日の基調講演とシンポでの質疑の様子を紹介する。

「震災後の経済活動自粛」という考え方には反対(講演する高田社長)

「震災後の経済活動自粛」という考え方には反対(講演する高田社長)

【基調講演】

東日本大震災で多くの人の生活が変わった。ジャパネットは4、5年前からエコ(環境)が大事だと言い続けており、エコに対応した商品しか売れないとのメッセージを出してきた。今は節電意識の高まりで扇風機が前年の10倍売れている。消費という軸でみると、震災は消費者を変えた。

企業はエコに対応した商品を求めていくことが大切だが、既存の商品もしっかりとらえることが必要だ。両方を大事にしながら商品戦略やマーケティングに取り組んでいくことが重要だ。

震災後は元気の出る話をあまり聞かない。日本経済はどうなっていくかという大きな不安があるためだ。地震、津波、原発、風評被害の4つの問題が発生したが、いま日本を覆っている問題は経済活動の自粛で、この考え方には反対だ。米国は(米同時テロが起きた)「9.11」の2日後に国が「自粛はいけない」「やるべきことはやろう」とメッセージを出して力強く復活した。

■10分で全商品売り切れ

当社も10日間はテレビショッピングの番組を自粛するつもりだった。だが本当に被災地のことを考えていくのであれば、企業としての仕事を頑張り通すしかないのではないかと考え、3月16日に番組を一部再開しようと社内で提案した。単に放送を再開するのではなく、テレビ1500台とランタン1000個を用意し、それらの売り上げのすべてを義援金にしようと提案したのだ。

午前9時半に番組がスタートし、冒頭ですべての売り上げを全額義援金として被災地に送る旨を視聴者に伝えた。すると商品の紹介が終わらないうちに10分で全部の商品が売り切れた。コールセンターには次々に電話が入ってきた。「本当にわたしたちの気持ちが被災地に届くのか」と。その時に私たちはビジネスを進めながら支援に取り組まないと、本当の支援にはならないと確信した。自分たちが信じること、企業が信じることを突き進むべきだ。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。