2019年2月21日(木)

目に見えぬ放射線を測る「ガイガーカウンター」
原発事故で世界的な品不足 できること、できないこととは

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2011/5/8 7:00
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東日本大震災に端を発する福島第1原子力発電所の事故以来、「ガイガーカウンター」という言葉をよく耳にする。古くからSF小説などで取り上げられてきた放射線測定器――。インターネットで検索すると、「在庫有ります」「○○○○○円で即納」などの広告が並ぶ。個人がガイガーカウンターなどで計測した放射線量の数値を公開しているホームページも増えている。知名度は高いが詳細はあまり知られていない同装置を解剖してみた。

■世界で製品不足、入荷待ち続く

東洋計測器が販売しているアナログ表示型のガイガーカウンター。本体左側の金属部分がガイガーミュラー管

東洋計測器が販売しているアナログ表示型のガイガーカウンター。本体左側の金属部分がガイガーミュラー管

3月の原発事故以降、販売店やメーカーには問い合わせが殺到している。東京・秋葉原で計測器を扱う東洋計測器では、4万8000円のアナログ表示型ガイガーカウンターが約100台、9万8000円のデジタル表示型が300台ほど入荷待ちとなっている。どちらも米国製だ。「事故前は2カ月に1台売れる程度だった。今は世界で不足しており、デジタル表示型が手に入るのは秋口になりそう」(リセール部の柴田泰世次長)という。

ガイガーカウンターを含む各種の放射線測定器を製造する日立アロカメディカルでは、「4月に入って落ち着いたが、3月中は社内の電話が鳴りやまない状況だった」(分析システム営業本部の山田孝一計測システム営業部長)という。企業からだけでなく個人からも、「とにかく放射線を計測できるものを手に入れたい」との問い合わせが相次いだ。

日立アロカメディカルのGM(ガイガーミュラー)サーベイメーター。大口径のGM管を持ち、ものの表面から出る放射線を測るのに適している

日立アロカメディカルのGM(ガイガーミュラー)サーベイメーター。大口径のGM管を持ち、ものの表面から出る放射線を測るのに適している

政府などが公開している数値に不安を感じる消費者が多いこともあり、測定器への関心が高まっているようだ。ただ、ガイガーカウンター以外にも放射能の計測機器はあり、価格や性能、用途は実に様々。では放射能計測器の原理や最適な用途などはどういうものなのか。

■放射線が出す「パルス」を数える

放射線量を測定する機器は、一般的に「サーベイメーター」と呼ばれる。ガイガーカウンターはその中の1種類にあたり、「ガイガーミュラー(GM)管」と呼ばれる部品を使う。「価格を安く抑えられ、簡便に『放射線があるかどうか』を測る用途に適している」(産業技術総合研究所計測標準研究部門の齋藤則生・量子放射科長)。

<放射線を巡るキーワード>
シーベルト 放射線によってどれだけ人体に影響があるかを表す単位。Svと表記。Sv/h(シーベルト毎時)は1時間当たりの放射線量(放射線量率ともいう)
ベクレル 放射能(放射性物質のことを指して用いられることもある)の強さを表す単位。Bqと表記。Bq/cm2(ベクレル毎平方センチメートル)は、1センチ四方の表面放射能密度のこと
カウント サーベイメーターなどが計測する放射線の数。CPMとはcount/mで1分当たりの放射線数。この値だけを表示するサーベイメーターもある

GM管は円筒形の容器の中に不活性ガスを封入したもので、放射線がこの容器内を通ったときに発生するパルスを数える原理だ。低価格で入手できるが、「弱い放射線だと取りこぼす場合があるほか、一定の水準を超えた強い放射線はすべてをパルスに変換しきれず、その数を正確に検出できない」(齋藤科長)という欠点がある。また、放射線が人体に及ぼす影響を知るうえで意味があるエネルギーの強弱までは計測できない。他のサーベイメーターに比べて、正確な放射線量の測定が難しいとされる。

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