三菱重工、英国で巨大洋上風車を開発 VB買収し技術導入
欧州の発電機市場にらむ 傘下VB社長に戦略を聞く

(1/3ページ)
2011/8/2 4:00
保存
共有
印刷
その他

英国で巨大な洋上風力発電計画が動き出している。風力や太陽光など再生可能エネルギーへのシフトを急ぐ欧州の中でも、屈指の大型プロジェクトとなる。ここでは三菱重工業が英国の有力ベンチャー、アルテミス社(エディンバラ市)の買収をテコに、洋上の大型風力発電設備の開発を加速している。アルテミスは風車の回転を、電力に変えるための特殊な油圧駆動部品の開発企業として知られる。従来のように歯車を使う必要がなくなるため、故障などを少なくでき、発電出力を大型化できる。アルテミスのウィン・ランペン社長に、今後の開発の行方などについて聞いた。

欧州では洋上風力発電市場が急拡大する(写真はデンマーク・コペンハーゲン沖の洋上風車)

欧州では洋上風力発電市場が急拡大する(写真はデンマーク・コペンハーゲン沖の洋上風車)

英国での洋上風車プロジェクトは同国政府が主導し、2020年までに7000基以上の洋上風車を英国沿岸に設置、英国の全消費電力の3分の1を賄い欧州大陸の隣国にも供給する計画だ。発電容量は3200万キロワットで、原子力発電所約30基分に相当する。英国政府は世界中の風力発電企業を同国に誘致することで、自動車などの海外流出で空洞化した国内産業を再び活性化させる狙いがある。洋上風車は日本では漁業権などの問題があり事業化のハードルは高い。英国では風車を設置する大陸棚の所有権は王室にあり、置き場所の自由度が他国に比べ高い。

三菱重工が洋上風車参入に伴い注目したのが優れた油圧駆動技術を持つアルテミスだ。三菱重工は10年12月に買収し、油圧機器を生産する下関造船所(山口県下関市)の技術者らがアルテミスに常駐している。15年の大型洋上風車の実用化に向けて開発を急いでいるところだ。

洋上風力発電は設置場所の自由度が高い利点がある半面、送電網の設置コストが陸上に比べ2倍以上になる弱点がある。故障時などの保守面でも海岸から距離が遠くなるほど船での作業時間が長くなりコストが膨らむ。このため陸上の風力発電設備に比べ、出力の大型化と同時に発電効率を高める必要がある。

  • 1
  • 2
  • 3
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]