「地球温暖化のせいで寒冷化…」 なぜそんなことが起こるのか

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2012/2/6 7:00
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図6 北極海の海氷の比較。左が1979年9月、右が2011年9月 (資料:宇宙航空研究開発機構)

図6 北極海の海氷の比較。左が1979年9月、右が2011年9月 (資料:宇宙航空研究開発機構)

(1)まず、温暖化によって北極海の氷が解ける。実際のところ、このところ特に夏の海氷面積が縮小している(図6)。

(2)海氷は太陽光の反射率が海よりも高いので、その面積が縮小すると、従来よりも太陽の熱を吸収しやすくなる。さらに海氷は海から大気への熱伝達を遮断する"断熱材"としても働いているが、海氷面積が小さくなることで大気への熱放出が増え、北極海周辺の大気が暖まる。

(3)大気が暖まると、そこの上空で気圧が高くなる。

(4)偏西風帯のジェット気流がスカンジナビア半島北東、北極海の一部「バレンツ海」付近で北側に押し上げられ、その反動でシベリアから中国大陸に向かって、南側に大きく蛇行する。

(5)蛇行によってシベリア高気圧を強める作用が働き、強い寒気が中国大陸から日本列島に南下しやすくなる。

もちろん、気候システムは多くの要素が複雑に関連し合って成り立っているので、北極海の海氷の減少だけで日本の冬の寒さが説明できるわけではない。また、さらに温暖化が進めば、こうしたメカニズムも働かなくなって、一気に暖冬傾向へと局面が転換する可能性もある。

■地球規模の「熱塩循環」に注目

欧州に関しても、「温暖化によって逆に寒冷化する」という学説がある。この説の根底にあるのが、「熱塩(ねつえん)循環」「グローバルコンベヤーベルト」などと呼ばれる、地球規模の海水循環だ。

海水の密度は、海水温と塩分濃度によって決まる。海水温が低いほど、そして塩分濃度が高いほど密度が高くなる。密度の高い海水の塊は、深海に沈み込み、深層水となる。

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