2019年1月23日(水)

ゲームファンも必見の電子資料館「CEDiL」
ゲームジャーナリスト 新 清士

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2011/3/2付
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「CEDiL」のトップページ。登録制で無料で利用できる

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ゲーム産業の業界団体コンピュータエンタテインメント協会(CESA)が2月18日に、ゲーム開発者向けの電子資料館「CEDEC Digital Library(CEDiL)」をオープンした。このサービスは、毎年9月に日本で開催されるゲーム開発者向けカンファレンス「CEDEC」で行われた講演のスライド資料を収録しており、ゲームファンが開発現場を知る貴重な手がかりにもなる。

現在公開されているのは2006~10年までのCEDECの講演資料で、講演者の許諾が取れている452件だ。あるゲーム会社の知人に「見始めるとはまるよ。止められなくなる」と言われていたが、まさにその通り。一度見始めると次々に手が出て、資料をダウンロードし続けてしまう。

講演概要と資料を見ていくと、この5年あまりのゲーム開発の方法論の変化を追いかけることができる。CEDECには毎年参加しているが、同じ時間に複数のセッションが開かれるので、すべてを見て回ることはできない。こうしたアーカイブサービスは、全体像を把握するのに役立つのはもちろん、新しい学びの機会も提供してくれる。

■飛び出る3Dゲームはなぜ難しい

昨年のCEDECの講演資料は158件。技術的なテーマからマネジメント論、ソーシャルゲームの作り方や外国人開発者が日本で働く理由といった話題まで、内容は多岐にわたる。

例えば、ソニー・コンピュータエンタテインメントソフトウェアソリューション開発部の福本正紀氏と大戸友博氏による講演のタイトルは「良い3D立体視ゲームを作るためのプログラミングとデザイン入門」。「プレイステーション3」向けに3D(3次元)ゲームを作る際、どうすれば3D立体視を的確に表現できるかを解説している。

これを見ると、ゲームで飛び出る映像体験がなぜ難しいかを知ることができる。例えば、飛び出すはずの映像がテレビ画面の端からはみ出してしまうと、見にくい画像になってしまう。これは「ウィンドウ違反」と呼ばれ、講演資料では机の上にあるロウソク台の端が、スクリーンから切れてしまった状態で飛び出ている画像が紹介されている。

2010年9月に開かれた「CEDEC2010」の会場風景

2010年9月に開かれた「CEDEC2010」の会場風景

飛び出る物体をきれいに表現するには、画面内に全体を収める必要がある。しかし、キャラクターが自由に動き回るゲームではそれが難しく、3Dは固定されたカメラワークに向いていることが垣間見える。この資料はゲーム業界以外の人が見ても、参考になる点が多いだろう。

米エピック・ゲームズ最高経営責任者(CEO)のティム・スウィーニー氏が08年に行った講演「未来のゲーム開発テクノロジー」は、12~20年に起きるであろうゲーム開発の変化を予測した内容で、今見ても興味深い。特に目を引くのは、「ハードウエアは20倍速くなるが、ゲーム開発の予算は2倍以下しか増えない」という指摘だ。そこで重要になるのが「生産性の向上」で、優れた開発環境をツールで実現する必要を強調している。

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