温氏蓄財報道の米紙記者、ビザ出ず中国退去
【ニューヨーク=共同】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は12月31日、同紙のクリス・バックリー記者(45)が報道ビザの更新を受けられず、家族と共に中国本土から31日退去し香港に移動したと報じた。
同紙北京支局の新支局長になったフィリップ・パン氏のビザも、3月に申請したにもかかわらず出ていないことも伝えた。同紙は10月に温家宝首相一族が27億ドル(約2340億円)もの蓄財をしていると報道、中国外務省が不快感を表明した。
同紙は、バックリー記者と家族のビザを中国当局が早急に発給するよう求める声明を発表した。中国外務省は同記者のビザが更新されなかったことについてのコメントを拒否しているという。
11月には同紙や、習近平共産党総書記の親族の巨額蓄財を伝えた米ブルームバーグが習氏らの記者会見から排除された。しかし、同紙によると温氏一族の蓄財の記事を書いた上海支局長のデービッド・バーボザ記者ら、他の同紙記者のビザは更新されている。
バックリー記者はオーストラリア国籍で、2000年から中国に駐在、昨年同紙に採用された。
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