2019年2月16日(土)

落ちていたエスカレーター 震災で建物と設備の連携不足が露呈

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2011/12/1付
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東日本大震災の際、大手スーパー「イオン」の3店舗で計4基のエスカレーター本体が建物く体から外れて下の階に落ちていたことが分かった。

イオンタウン仙台泉大沢の2階売り場。2階と屋上階を結ぶエスカレーターが2基並んで落ちた。2011年4月に撮影。現在は復旧している

イオンタウン仙台泉大沢の2階売り場。2階と屋上階を結ぶエスカレーターが2基並んで落ちた。2011年4月に撮影。現在は復旧している

落下したのは、仙台市にあるイオンタウン仙台泉大沢の2基とイオン仙台幸町店の1基、福島県郡山市にあるイオン郡山フェスタ店の1基。いずれの店舗も、鉄骨造の2階または3階建てとなっている。

2011年3月11日の本震や4月7日の余震によって、2階と屋上階または2階と3階を結ぶエスカレーターが、下層のエスカレーターを押し潰すように落ちた。当時、人は乗っておらず、けが人はなかった。

イオンタウン仙台泉大沢の2階売り場に勤める店員は、以下のように振り返る。「揺れがしばらく続いた後、ドーンと大きな音がした。見ると、屋上の駐車場につながるエスカレーターが目の前に落ちていた」。

■アングル材が外れる

イオンの3店舗で落ちたエスカレーターは、日立製作所とフジテック、三菱電機がそれぞれ納めていた。

赤色で示した部分がトラス支持アングル

赤色で示した部分がトラス支持アングル

いずれのエスカレーターも、上下の両端にL字形の「トラス支持アングル」を取り付けて、建物く体のH形鋼の梁(はり)に引っ掛けていた。

アングルの一端は溶接して梁に固定。もう一端は固定せず、エスカレーター本体が水平方向に動けるようにしていた。地震で建物が変形しても、エスカレーターに無理な力が加わらないようにするためだ。

非固定側のアングルと梁とのかかり代は、「昇降機耐震設計・施工指針」で十分な長さを確保するよう計算式が定められている。同指針は、日本建築設備・昇降機センターと日本エレベータ協会が1998年にまとめた。イオンコーポレート・コミュニケーション部によると、「(指針などに照らして)明らかな設計ミスや施工ミスはなかった」という。

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