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丸ごとレビュー PCファイル、月500円で簡単バックアップ

容量無制限のオンラインストレージ(上)

フリーライター 竹内 亮介

AOSテクノロジーズは4月7日、インターネット上のオンラインストレージにファイルを自動でバックアップするサービス「AOSBOX Cool」を開始した。オンラインストレージの容量はなんと「無制限」であり、この種のサービスとしては破格の拡張性を備えることが最大の特徴となる。

導入や設定方法、利用できる機能など、ライバルサービスとの違いを2回に分けて整理していこう。今回はAOSBOX Coolの基本機能の紹介と導入、バックアップに関する設定機能を紹介する。

同期とは違うバックアップ

AOSBOX Coolでは、月額500円、年額6000円で無制限のオンラインストレージを利用できる「バックアップサービス」だ。最近では同じようなオンラインストレージサービスが増えてきたが、マイクロソフトの「ワンドライブ」は年額4000円で100ギガバイトまで、グーグルの「グーグルドライブ」は月額1.99ドル(年額23.88ドル)で100ギガバイトまでなど、容量に制限があるサービスがほとんどである。その意味では、非常にめずらしいサービスと言える。

ただ、ほかのオンラインストレージとはサービス内容が若干異なることに注意が必要だ。ワンドライブやグーグルドライブでは、バックアップすると決めたフォルダーを常時監視し、フォルダー内のファイルに変更が加わるたびにその変更内容をすぐさまオンラインストレージに反映する機能がある。こうした機能を「ファイルの同期」機能と呼ぶ。

AOSBOX Coolはあくまでファイルのバックアップサービスなので、こうした即時性の高い「ファイルの同期」機能は利用できない。設定ユーティリティーから「バックアップする」と指定したフォルダーの中身を、指定した時間にオンラインストレージにアップロードしていくだけだ。同じファイル名なら最新のファイルに置き換えるが、この置き換えはファイルの更新時ではなく、バックアップで指定したタイミングで行う。

 ファイルの更新状況を踏まえて解説するとこうなる。

【A】→3分後に更新した【B】→1時間後に更新した【C】

という3つのファイルがあるとする。ファイル同期サービスではA、B、Cの時点で逐次ファイルをアップロードしてバックアップする。しかしAOSBOX Coolでは、バックアップの間隔を1時間に設定した場合、1時間後にオンラインストレージ上に存在するのはAとC、2時間に設定した場合はAしか保存されていない、ということだ。こうしたサービスの特性をきちんと理解した上で利用したい。

新しいパソコンへの移行作業が楽になる

バックアップできるのは、音楽、動画、デジカメ画像、マイクロソフトオフィスで作成した書類ファイルのほか、メールソフトのデータやウェブブラウザのブックマーク、デスクトップ上に保存したファイルなどだ。

新しいパソコンにAOSBOX Coolをインストールし、ファイルの復旧作業を行えば、古いパソコンからメールデータやブックマーク、お気に入りを移行する、ということも可能だ。アップルのiCloudを利用したiPadやiPhoneの自動バックアップ&リストアのような機能が、パソコンでも利用できる。

もちろん、新パソコンにはアプリの再インストールが必要であり、完全なバックアップ&リストアにはならない。しかし面倒な移行作業の負担はかなり減るはずだ。

こうしたバックアップ&リストア機能は、ウィンドウズ8からOSと強く結びついたワンドライブでは一部サポートされている。しかし一般的なファイル同期サービスやオンラインストレージサービスではまず利用できない機能であり、AOSBOX Coolならではと言える。

バックアップ対象は自分で選択

早速試してみよう。今回は無料で14日利用できる試用版を試した。試用版なのでアップロードできる容量は50ギガバイトまでとなるが、利用できる機能自体は同じなので、気になるなら試してみるとよいだろう。

 パソコンにセットアップファイルをインストールし、アカウントの登録が終了すると、バックアップの設定ウィザードが起動する。バックアップファイルの指定には、ファイルの種類を大まかに指定するだけでいい「おまかせバックアップ」と、フォルダーをユーザーが指定できる「選んでバックアップ」という2つの方法がある。

どうしても細かい指定がしたいなら後者だが、チェックボックスにチェックを入れるだけで、ファイルやフォルダーの個別指定が必要ない前者の方がはるかに簡単である。どのようなフォルダーやファイルをバックアップするかは、マウスカーソルを設定項目の上に載せるとバルーンヘルプとして表示するので、わかりやすい。

バックアップに関しては、このバックアップ対象の設定が終われば作業は終了だ。あとは淡々とファイルのアップロードが行われていくので、作業が終了するのを待てばよい。ただ、指定したすべてのファイルをオンラインストレージ上にアップロードするため、最初はかなりの時間がかかる。寝る前に設定して、一晩放置するなりした方がよいだろう。

スケジュール設定は柔軟

このようにバックアップの基本的な設定作業は非常に簡単だった。またバックアップ対象のほかにも、バックアップのスケジュールや、アップロードで利用するネットワーク、バックアップの対象にしないファイルの種類の設定などが行える。ただ、上級者でなければ、基本的にはバックアップスケジュール以外は設定変更しない方がいいだろう。

スケジュールは時間、日程(毎週何曜日など)、バックアップで利用する時間帯などが設定できる。オンラインストレージにアップロードする場合は、ネットワークの使用率が上がるので、自分があまりパソコンを利用しない時間帯を指定するなど工夫するとよいだろう。これらの設定も専用ユーティリティーでチェックボックスにチェックを入れたり、時間帯を指定したりするだけでいいので非常に簡単だった。

 バックアップしたファイルの状況は、AOSBOX Coolのウェブサイトから確認できる。パソコン上で設定したAOSBOX Coolのアカウントでログオンすると、バックアップしたファイルがフォルダー構造ごと再現されていた。

ただこの辺はパソコンに慣れてないとわかりにくい部分もあった。例えばピクチャフォルダーの内容を確認したいだけなのに、ユーザーフォルダーの最初からいちいちクリックして目的のフォルダーを見付けなければならないのは面倒だ。おまかせバックアップのカテゴリー分けと同じく、おおざっぱなくくりだけで目的のファイルに到達できる仕組みも欲しいと感じた。

次回はファイルの復旧作業を中心に解説

ぱっと見はほかのオンラインストレージと似ているが、使い込んでみると違うところも多いAOSBOX Cool。他社のサービスを研究しながらさまざまな独自機能を盛り込んでおり、なかなか面白い。次回はオンラインストレージにバックアップしたファイルの復旧作業と、スマートフォンやタブレット上でのビューワーアプリの使い勝手などを紹介していこう。

実際に新しいパソコンに移行する場合に、どんな作業が必要になるのか、どのくらいの時間がかかるのかなど、気になる点を解説していきたい。

竹内亮介(たけうち・りょうすけ)
 1970年栃木県生まれ、茨城大学卒。毎日コミュニケーションズ、日経ホーム出版社、日経BP社などを経てフリーランスライターとして独立。モバイルノートパソコン、情報機器、デジタル家電を中心にIT製品・サービスを幅広く取材し、専門誌などに執筆している。

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