2017年11月19日(日)

カフェ運営の高校生、笑顔の先に見えるもの(震災取材ブログ)
@宮城・石巻

2012/11/30 7:00
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 11月3日、宮城県石巻市の市役所1階にオープンした“いしのまきカフェ「 」(かぎかっこ)”。「いらっしゃいませ、こちらへどうぞ」「ワッフル、お待たせしました!」などと緊張した表情ながらも元気の良い声を出して働く高校生の姿で店内は活気にあふれている。

オープン直前に全員で声を合わせて「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」などを練習する(3日、宮城県石巻市)

オープンした“いしのまきカフェ「 」(かぎかっこ)”。オープン当日は20人ほどの高校生が参加(3日、宮城県石巻市)

高校生のお薦めメニューは宮城県産の野菜を使った「かぎかっこスティック」(右)と「ワッフルスイーツ」

 このカフェは、高校生に社会経験、成功体験を、という目的の被災地支援プロジェクトとして始まった。非営利組織(NPO)やボランティアの力を借りながら、地元を中心とした38人の高校生が、接客、調理、会計、内装などすべてを自分たちで行っている。売り上げの利益を使った新たなメニュー開発やイベントの企画も高校生自らが進めていくという。

 夏に石巻を訪れた際、8月にプレオープンするという告知を石巻市内で目にしたがタイミングが合わず、取材できなかった。今回の被災地取材当番の日程とオープンの日が合ったので取材に訪れてみた。

 被災地を取材していると、高校生の姿はあまり目に入らない。震災直後は避難所などで大人と一緒に支援物資を運んだり、お年寄りや子どもの世話をする姿が目に入った。少しずつ復興が進み、学校が再開すると、通学の時間帯以外では高校生の姿を見ることは少なくなった。学業や部活に忙しいからだろう、漠然と思っていた。が、「復興のために何かしようと思っても、高校生向けのボランティアとかはあまりなくて」とカフェの店先で客を誘導していた高3の鈴木亜紀さんが話すような事情もあるようだ。

 「高校生向けの支援ってないんですよ」とカフェの運営を援助する団体の担当者。確かに被災者支援で目につくのは、対象が義務教育中かそれ以下の子どもたち、あるいはお年寄りのことが多い。高校生は支援する側にも、支援される側にもなりにくい状況にあるのではと思う。

 それだけにあくまで主役は高校生というこの支援プロジェクトには注目していきたい。取材で訪れたオープンの日に高校生たちにカメラを向けると、彼ら彼女らの一生懸命な様子がファインダー越しに伝わってきた。声をかけてポーズを取ってもらった時も、はにかみながらも笑顔で応えてくれた。こちらも元気をもらい、楽しくなってしまってついついシャッターを押す回数が多くなってしまった。

 カフェは週末だけの営業だが、石巻を訪れた際にはまた足を運びたいと思う。メニューにある野菜スティックがおいしかったのはもちろん、高校生たちの成長と明るい笑顔を見るために――。

(塩山賢)

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