2018年10月17日(水)

芥川賞に赤染晶子氏、直木賞に中島京子氏

2010/7/15付
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記者会見で握手する芥川賞受賞の赤染晶子さん(左)と直木賞受賞の中島京子さん(15日、東京・丸の内)

記者会見で握手する芥川賞受賞の赤染晶子さん(左)と直木賞受賞の中島京子さん(15日、東京・丸の内)

第143回芥川賞直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の新喜楽で開かれ、芥川賞は赤染晶子氏(35)の「乙女の密告」(「新潮」6月号)に、直木賞は中島京子氏(46)の「小さいおうち」(文芸春秋刊)に決まった。贈呈式は8月20日、東京・丸の内の東京会館で。受賞者には正賞の時計と副賞100万円が贈られる。

赤染氏は京都府生まれ。京都外国語大ドイツ語学科卒。2004年「初子さん」で文学界新人賞を受賞してデビュー。芥川賞候補に挙がるのは今回が初めてだった。「乙女の密告」は、外国語大学でドイツ語のスピーチコンテストに臨む女子学生たちの日々をユーモラスに描く。この物語の空間と、暗唱課題作とされる「アンネの日記」の世界が重層的に交錯する。

選考委員の小川洋子氏は「アンネを密告したのは誰か、という歴史上、社会上の大きな問題を小説に取り込んで、個人のアイデンティティーの問題として答えを出すつくりが非常に巧妙」と絶賛した。

中島氏は出版社勤務などを経て03年に小説家デビュー。直木賞は初のノミネートでの受賞となった。受賞作は戦中の東京で女中として働いた老女の回想記という体裁で、当時の暮らしや風俗を生き生きと描き出す。舞台となる「小さいおうち」での秘められた恋が物語の軸をなす。老女のおいの息子にあたる大学生の視点も取り入れることで、手記の内と外、虚実を照らし返す巧みな構成も光る。

選考委員の林真理子氏は「戦前の山の手の中産階級の家庭を生き生きと描いていてとてもリアル。資料の読み込み方がなめらかですばらしい。描写も的確で余計なことをいわず、しかもあたたかみがある」と評価した。

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