日本政府、発射発表に遅れ 確認に手間取る

2012/4/13 11:14
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官房長官「(ミサイル発射情報の発信遅れは)ダブルチェックしていた」(午前10時すぎ)

官房長官「(ミサイル発射情報の発信遅れは)ダブルチェックしていた」(午前10時すぎ)

北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射後、田中直紀防衛相が「何らかの飛翔(ひしょう)体が発射されたとの情報がある」と述べたのは午前8時23分、藤村修官房長官が発射の事実を発表したのは同8時36分で、発射から約1時間が経過していた。ミサイルが通常の軌道を描かなかったことで情報の確認と分析に手間取り、米韓両国よりも遅れた。

北朝鮮がミサイルを発射した直後の午前7時40分には米軍の早期警戒衛星がとらえた発射情報が防衛省に入った。米軍の情報を受けて韓国国防省はミサイル発射を確認したと発表。米メディアも米政府関係者の話として「発射失敗」と報じた。

北朝鮮のミサイル発射を巡る動き
 7:40ごろ防衛省、米軍からミサイル発射の早期警戒情報を受ける
 7:50ごろ韓国YTNテレビ、北朝鮮が発射と速報
 8:00ごろ韓国国防省、7時39分に発射と発表
 8:00すぎ政府、「発射の報道があるが日本としては発射を確認していない」と発表
 8:15米ABCテレビ、発射は失敗との米政府関係者の見方を報道
 8:23田中防衛相が記者会見。「7時40分ごろ飛翔体が発射され、1分以上飛行して、洋上に落下した模様」と発表
 8:36藤村官房長官が記者会見。「落下物などによる日本への影響は一切ない」と冷静に対応するよう国民に呼びかけ
 8:40ごろ韓国国防省、発射後、数分で分解したと発表
 8:45安全保障会議。野田首相が情報収集と国民への情報提供に努めるよう指示
 8:45まで総務省が沖縄県などと連絡をとり、被害情報がないことを確認
 9:00韓国が外交安保関係閣僚会議を開催
 9:13閣議
 9:30フィリピン、朝鮮半島沖に落下したと確認。ルソン島沖の飛行禁止区域を解除
 9:50ごろ韓国外交通商相、発射失敗を確認と発表
10:10田中防衛相がルース駐日米大使と電話協議。北朝鮮問題での緊密な連携を確認
10:20ごろ英ロ、深刻な懸念を表明
10:30防衛省が緊急幹部会議
民主党の輿石幹事長ら幹部が対応を協議
11:052回目の安全保障会議

(時間は日本時間)

この時点で、日本には独自の情報がなかった。ミサイルが発射後まもなく海上に落下し、海上自衛隊のイージス艦などがミサイルの軌道を十分に捕捉できなかったためで、政府は発射情報の確認作業を優先した。早期警戒衛星には誤った情報が含まれている可能性もあるとして、官邸対策室が午前8時すぎにいったんは「北朝鮮がミサイルを発射したとの一部報道があるが、我が国としては発射を確認していない」と発表した。

藤村長官は閣議後の記者会見で、ミサイル発射の情報提供が遅れたことについて「1つの情報でなく、ダブルチェックの確認をしようとした」と説明した。自公政権時代の2009年4月、北朝鮮が予告していたミサイル発射期間の初日に実際には発射されていないにもかかわらず、政府はいったん発射を発表してしまい直後に訂正した経緯がある。藤村長官は「3年前の経験もある」と慎重な確認の必要性を強調した。ただ公表の遅れについては「検証は必要だ」との考えを示した。

北朝鮮の当初の想定では、ミサイルは沖縄の先島諸島上空を通過する可能性があった。ミサイル発射の場合、政府は全国瞬時警報システム(J-ALERT)を使って、発射情報を確認してから30秒以内に、自治体を通じて住民に知らせるとしていたが、「わが国領土内に入ることはないと確信していた」(藤村長官)として、J-ALERTを活用しなかった。

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