2019年5月24日(金)

女性の起業、「キャリア男性上位社会」も原動力に

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2012/11/5 3:30
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同フォーラムを特別協賛したカルティエのチーフエグゼクティブオフィサーでリシュモン・ジャパン(東京・千代田)社長のクリストフ・マソーニ氏はこう読み解く。「サッカー女子日本代表『なでしこジャパン』をはじめ、日本の女性はスポーツやビジネスなどあらゆる分野で才能を発揮する可能性を秘めている。ただ、企業では女性の管理職比率がとても低い」。日本の企業は、管理職(課長級以上)に占める女性の割合が7.2%なのに対し、カルティエでは女性管理職比率が45%に上り、取締役6人のうち2人は女性という。仏政府は企業に対し、取締役会の女性比率を4割にするよう求めており、旗振り役となる内閣のメンバーは男女が半々ずつだ。

政府主導の女性登用について、マソーニ社長は「大賛成。従来のやり方を変えるには強いリーダーシップが必要だ」と話す。一方、日本企業に対しては「日本経済は男性がけん引してきた歴史から、今も男性のルールでプレーをしている。成長に向けた次のステージに進むには、長年のルールに疑問符を投じるべきだ」と提言する。

日本政策金融公庫総合研究所の調査によると、女性起業家の起業前の就業経験年数は「15年以上」が6割を占め、次に「10年~15年未満」が2割となっている。会社勤めなどで一定の経験や知識を培った後、活躍の場を起業に求める様子がうかがえる。その中にはマソーニ氏が指摘するように、女性の昇進を阻む「ガラスの天井」にぶち当たり、行き場を失った「マグマ」のようなエネルギーが起業に向かうケースもあるだろう。日本の女性雇用者は11年に2335万人と過去最高を記録したが、今なお多くの企業は育児と仕事を両立しようと努力する女性社員の能力を十分に生かしきれていない。

林恵子さん(38)は人材派遣のパソナを31歳で辞め、2004年に児童養護施設から社会に巣立つ若者を支援する非営利組織(NPO)「ブリッジフォースマイル」を設立した。パソナで営業職を経て第1子を出産し、復職後も以前と同じように責任のある仕事をしようと頑張ったが、残業ができないなどの時間的制約もあり、周囲から戦力として当てにされないジレンマに苦しんだ。

「雇われの身では、子育てと両立しながら自分が本当にやりたいことはできない」。学生時代から環境や貧困の問題に関心を抱き「社会の役に立つ仕事をしたい」と考えていた林さんは、海外大学院でMBAを取得することを決意し、第2子の育児休業中も勉強に打ち込むなかで、在日外国商工会議所が支援するビジネス研修プログラムと出会う。「企業の社会的責任(CSR)として孤児を支援するプログラムを企画せよ」という題を与えられたのをきっかけに、児童福祉の世界に飛び出した。

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