2018年8月17日(金)

世界の翼になう日本の草分け 三菱重工・大江工場
工場再光 中部ものづくりの現場 2

(1/2ページ)
2010/10/11付
保存
共有
印刷
その他

 作業員が行き交い、工作機械が出す摩擦音や警報音であふれる。ギーンという音を立てながらアルミ製の板を削る。別の一角では2人の作業員が数メートルもの板を工作機械にはめ込み、丸く反りを入れる。米ボーイング「B777」の胴体や翼の部品が作られていく。自動制御の工作機械による加工もあるが、人手に頼る作業も少なくない。

航空機の生産性向上には人の手に頼る作業が欠かせない

航空機の生産性向上には人の手に頼る作業が欠かせない

 三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所(名航、名古屋市)。その中核拠点である大江工場は国内の航空産業の草分け的存在だ。1920年の完成以後、国内企業が初めて設計・製造した戦闘機「十式艦上戦闘機」のほか、旧海軍の「零式艦上戦闘機」を相次ぎ生産。45年の終戦までに製造した飛行機は約1万8000機にのぼる。

2000人の“頭脳”

 第2次世界大戦の敗戦で日本は航空機の製造が禁止され、大江工場も航空機生産の停止を余儀なくされるが、52年に生産を再開。その後は国産プロペラ機「YS11」などの航空機やロケットを生産した。

 最近では「B787」の主翼を生産しているほか、三菱航空機の小型ジェット機「MRJ」の部品生産を始めた。名航所長を務める吉田慎一執行役員は「今はMRJを円滑に立ち上げることで頭がいっぱい」と話す。

 大江工場の特徴は約2000人の設計・生産技術者という“頭脳”を抱える点。ボーイングとは初期段階から約30年にわたりジャンボ機を共同開発した。技術陣が生産ラインのすぐ近くに控えることで「工程の改良など迅速な対応が可能だ」(吉田所長)。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報