偽クロックス、中国から輸入 容疑の社長ら3人逮捕
米クロックス社製のサンダル「クロックス」の偽物を中国から輸入したとして、愛知県警は25日、同県瀬戸市熊野町、輸入販売会社社長、後藤松八郎容疑者(49)ら3人を関税法違反容疑で逮捕した。3人は昨年6月から1万7660足を不正に輸入したとみられ、県警は商標法違反(販売目的所持)での立件も視野に流通ルートを調べる。
ほかに逮捕されたのは愛知県愛西市渕高町蔭島、会社経営、沢記之容疑者(47)と岐阜県大垣市内原、中国国籍の会社役員、田鋒容疑者(45)。県警によると、沢、田両容疑者は「本物だと思った」と否認している。
逮捕容疑は昨年、クロックスに似せた商標を付けた履物計約2300足を中国から送らせ輸入するなどした疑い。今年1月に税関から通報があり県警は約3千足を押収し捜査を進めていた。
ブランド品などのコピーは後を絶たない。財務省によると、全国の税関で昨年に知的財産侵害物品として輸入を差し止めた件数は2万3233件。ヒット商品に便乗したものが多く、昨年はクロックスの偽物が急増。靴類全体の差し止め件数を1818件(16万5943足)と前年比62.3%増に押し上げた。
クロックスは2005年から日本で販売。多彩な色合いや履きやすさが人気を博した。一方で模倣品も相次ぎ、「並行輸入で安価」「中国直輸入」などと正規品に比べ破格の値段で売られている例も少なくない。
輸入元のクロックス・ジャパン(東京)はホームページで消費者に注意を呼びかけるほか、偽物と疑われる商品が見つかった際に販売業者や警察に連絡するなどの対策を実施。ただ摘発は追いついていないのが実情で、「模倣品の流通量の把握は難しい。購入を防ぐためには直営店か正規の取扱店をお薦めするしかない」(同社)としている。