2019年1月18日(金)

旅館経営の海栄館、四国に進出 愛媛・今治のホテル子会社化

2012/1/26付
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中部・北陸地域で旅館11軒を経営する海栄館(愛知県南知多町)は四国に進出する。経営不振で民事再生手続き中のホテルアジュール(愛媛県今治市)の運営会社を近く子会社化。従業員を引き継いだ上で、露天風呂を新設するなど施設を改装して3月にリニューアルオープンする。営業活動も強化し、現在4億円程度の同ホテルの売上高を2年後には6億円まで引き上げる方針だ。

経営再建中のホテルアジュール(愛媛県今治市)

傘下に収めるのはホテルアジュールを運営するナウシス(今治市)。同社は今治織物工業協同組合の加盟企業が中心となり、1990年に設立した。総事業費30億円をかけ92年にホテルを開業した。客室は約60室。しかし最近は客室稼働率は50%程度にとどまり、業績が悪化。資金繰りのめどが立たず、昨年7月に松山地裁に民事再生法の適用を申請していた。

今月開かれた債権者集会で、金融機関の債権放棄などにより27億円の負債を約1億2000万円に圧縮する再生計画案が可決、松山地裁に認可された。今後、既存株式を100%減資した上で、2月中に海栄館がナウシスを100%子会社化する。海栄館はナウシスの残った負債と約30人の従業員を引き受ける。

同社は8000万円を投資し、2月から施設の改装に着手。露天風呂を新設するほか古い設備を改修し、3月中旬にホテルをリニューアルオープンする。名称は「ホテルアジュール汐の丸(しおのまる)」に決まった。

今後は旅行会社と協力し、ツアーの宿泊先に同ホテルを組み込むなど販路拡大を進める。これまで多かった学生の合宿などに加えて他地域からの観光客を取り込み、稼働率を60%台まで引き上げる方針だ。宿泊単価も現在の約1万円から5000円程度引き上げたいとしている。

海栄館は「千の杜」(三重県伊勢市)など、愛知、三重、富山の3県に直営の旅館を11軒経営している。それぞれの地元の歴史、伝統に合わせたコンセプト作りを売りにしている。11軒のうち7軒は経営不振の旅館を買収して取得した。このほかにも複数の旅館に出資して経営再建に取り組んでおり、売上高はグループ全体で約50億円。

同社の渡辺幸一社長は「四国進出を契機に、今後は全国で旅館の再生を手掛けていきたい」と話している。

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