愛知県大府市で2007年、電車にはねられ、死亡した認知症患者の男性の家族に対し、JR東海が列車遅延などの720万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が24日、名古屋高裁であった。長門栄吉裁判長は一審・名古屋地裁に続き、男性の妻の責任を認めた上で、約360万円の賠償を命じた。男性の長男については一審判決を変更し、賠償責任を認めなかった。
認知症患者の急増が見込まれる中、家族の責任を認めた判断は介護現場にも影響を与えそうだ。
一審判決によると、07年12月7日、認知症の男性(当時91)が大府市のJR共和駅内で、電車にはねられ死亡した。自宅で妻と長男の嫁が介護していたが、男性は2人が目を離した間に外出した。
昨年8月の名古屋地裁判決は「見守りを怠った過失」があるとして、男性の妻らに請求全額にあたる約720万円の支払いを命令していた。
控訴審では(1)男性が徘徊(はいかい)することが予見できたか(2)家族の徘徊防止策は十分だったか――が主な争点となった。
高裁は今年1月、双方に和解を勧告。成立しなかった。