名古屋の日本ゼネラルフード、三菱重系の給食3社買収
給食サービスの日本ゼネラルフード(名古屋市)は21日までに、三菱重工業グループの給食会社3社を買収することで三菱重工側と合意した。日本ゼネラルフードが来年2月1日付で3社の全株式を取得する。買収額は数十億円とみられる。中部地域外への進出を強化したい日本ゼネラルフードと、グループ経営を効率化したい三菱重工側の考えが一致した。
買収するのは三菱重工の孫会社のダイヤ食品サービス(横浜市)、名菱興フードサービス(名古屋市)、フーズ菱和(山口県下関市)の3社。いずれも三菱重工グループ企業の工場や社員寮などで食堂を運営している。合計の売上高は約55億円。
製造業は生産拠点の海外移転が進んでおり、3社にとってグループ企業の施設内中心の営業では事業の拡大が望めないデメリットがあった。三菱重工にとっても、グループ企業による独占的な給食サービスの提供はコスト面で割高になりがちだったことから売却を決断したもようだ。
日本ゼネラルフードは当面の間、買収先3社の人員組織を維持する方針。仕入れの共通化によるコスト削減などを進め、経営の効率化を目指す。
日本ゼネラルフードは1967年設立。中部地域を中心に全国の工場や病院などの食堂を約650カ所受託運営している。セントラルキッチンからの配送ではなく、食堂の調理場で調理することを売りに受託先を増やし、2010年8月期の連結売上高は280億円。2005年には同業の星光(大阪市)を買収した実績もある。
財団法人食の安全・安心財団によると、事業所や病院、学校などの「集団給食」の2009年度の市場規模は3兆2841億円。1997年の3兆9470億円をピークに減少傾向にあり、各社の競争が激しくなっている。今年4月には業界大手の日清医療食品が、日立製作所子会社の日京クリエイト(東京・千代田)の給食事業を買収するなど、大手企業グループでも給食サービスを外部委託に切り替える動きが進んでいる。