地権者の税減免、最高裁は認めず 名古屋市の公園用地買収
名古屋市に公園用地を売った地権者9人が、市の指導で所得税が減免される特例措置を受けられると思ったのに、適用されず計約3400万円を追徴課税されたとして、課税の取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷は13日、特例の適用を否定する判断を示した。
地権者側勝訴の二審判決を破棄し、特例が適用される別の事情の有無を検討させるため審理を名古屋高裁に差し戻した。
特例は租税特措法の規定。都市計画法に基づき自治体が地権者の建築申請を不許可にした際、地権者の求めがあれば土地を買収、地権者が得た売却益に適用される。
判決によると、9人は1998年から2000年、所有地を市に売却する際、建築許可を申請。不許可となり、売却後の確定申告で税務署が申告漏れを指摘した。
田原睦夫裁判長は「特例の適用には地権者に具体的に建物を建てる意思が必要。原告らのように、減免措置を受けるため不許可を前提に建築許可を申請した場合は当てはまらない」と述べた。
07年5月の一審名古屋地裁判決は地権者側の訴えを退けていた。