2019年2月24日(日)

金融機関、名古屋の陣 三菱UFJ銀が16年ぶり法人拠点

2011/9/14付
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三菱東京UFJ銀行は11月、中部地区では約16年ぶりの法人拠点を名古屋市に新設する。岡崎信用金庫(愛知県岡崎市)や碧海信用金庫(愛知県安城市)も近く新規出店し、十六銀行は今後1年以内に名古屋営業部を設置するなど、名古屋で営業強化策を打ち出す。メガバンクから地銀、信金まで幅広い金融機関が高い営業効率を見込める名古屋に経営資源を重点配分し、競い合う構図だ。

三菱東京UFJ銀は名古屋駅前支社(中村区)を分割して11月21日に名古屋支社(同)を設ける。同行は法人を支社、リテール(小口金融)を支店と、顧客属性に応じて拠点を分けている。支社では主に上場企業や医療法人、学校法人といった顧客に対応する。

名古屋駅前支社は東海銀行から数えて2度にわたる再編・店舗統廃合を経て、担当企業数が膨らみ、預貸金が中部地区の支社で最大になっていた。営業担当者は両支社合計で約60人と、分割前の名古屋駅前より10人以上増員。きめ細かく担当先をカバーするという。

信金で中部最大の預金量を誇る岡崎信金は2012年1月に平針支店(天白区)を開業する。同信金の新規出店は12年ぶり。住宅ローンの営業拠点も併設し、リテールを含む営業全般を手がける。「競合は厳しいが、それ以上に積極策による可能性を重視した」(総合企画部)。今年12月には碧海信金も名古屋市場開拓をけん引する名古屋支店(昭和区)を開く。

十六銀も"愛知戦略"を経営の最重点課題に位置付ける。傘下の岐阜銀行を12年9月に吸収合併して店舗網が拡大するのに先立ち、戦略のかじ取り役となる名古屋営業部を置く方針。堀江博海頭取は「担当役員を常駐させるなど愛知の地元化を一気に進めたい」と話す。責任や権限も委譲し、様々な判断を柔軟かつ迅速に下せるようにする。

中部の金融機関が動く背景には、分厚い企業集積などの再評価に加え、域外金融機関が攻勢を強めていることもある。

「京都銀行はどんな動きをしてくるのか」――。中部の金融関係者が注目しているのは、4月に名古屋支店(中区)を開業した京都銀の動向だ。広域展開を打ち出している同行は、近年の出店ペースが全国の地銀でも屈指。金利面を含む営業の押しの強さに身構える銀行は少なくない。

「主要企業への営業攻勢」(中英也支店長)が奏功し、京都銀の名古屋支店はすでに預貸金が1000億円を突破した。「長い目で見て維持できるかどうかが重要」(中部の地銀幹部)とはいえ、京都銀は名古屋で将来の多店舗展開を視野に入れており、無視できない規模に育っている。

名古屋に本店を置く名古屋銀行、愛知銀行、中京銀行も無策ではない。名古屋銀は中期経営計画に「地域トップバンク」を目標として明記。愛知銀や中京銀も新規開拓の徹底による顧客基盤の拡大を急いでいる。

顧客である企業は借入金利の低さや親身な姿勢はもちろん、海外展開や販路開拓、産学連携など幅広い支援策を金融機関に期待している。営業拠点の設置・拡充に質の高い金融サービスが伴っているかどうかが、競争の行方を左右しそうだ。

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