燃料・建材卸の三ッ輪商会、養豚業に参入 7月に新会社

2011/6/29付
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三ッ輪商会(釧路市、岡本憲明社長)は7月1日、浜中町に新会社を設立し、養豚業に参入する。浜中町農業協同組合も出資する。畜産を通じ第1次産業への足掛かりにしたい同社と、畜産を酪農に次ぐ産業に育てたい農協の思惑が一致した。人口減少が続き地域経済が疲弊する中、企業と農協が連携し新たな事業展開を目指す試みとして注目される。

三ッ輪商会は主に燃料の卸・販売、建材卸を手掛ける釧路の有力企業。売上高184億円(2011年3月期)のうち約8割をこの2事業が占める。ただ公共事業削減が続く建材などは今後の伸びを期待できない。余力がある間にまだ手掛けていない農林水産業への足場を築き、将来の収益源に育てる狙いだ。

新会社のトンタス浜中(栗林延次社長)は資本金1千万円。三ッ輪商会が60%、グループ会社の三ッ輪運輸(釧路市、栗林定正社長)と浜中町農協が20%ずつ出資する。7、8人を予定する社員は道内農場で研修する。

浜中の企業から取得する土地は4ヘクタール。今後道に農地から他の用途への転用許可を申請する。許可を得られたら12年春をメドに豚舎の工事を始める。取引関係のある岩谷産業の「ケンボロウ種」の母豚を600頭近く購入し飼育。14年春以降は年間1万4千~1万5千頭の出荷態勢を目指す。

岡本社長は「地域で受け入れてもらえるよう、排水の浄化処理とにおいの環境対策に万全を期したい」と強調。設計の詳細を今後詰めるが、投資額は数億円規模になる。

一方、浜中町農協は大規模酪農を営む農業法人「酪農王国」を09年7月設立した際、三ッ輪商会から出資を受けるなど関係を深めてきた。酪農は漁業とともに釧路・根室地域の経済を支える産業だが、石橋栄紀組合長は「農業の中で酪農に大きく偏った構造はリスクがある」と話す。

高齢化や後継者不足に伴い、酪農家の戸数減少はさらに進む見通し。災害や将来の海外との競争の可能性も考えると、産業誘致は「地域を維持するために欠かせない」(同組合長)と判断。畜産はハム・ソーセージ工場など食品加工業の新設や誘致も期待できる。釧路市内にある食肉処理場は老朽化しており、養豚業誘致で搬入する家畜数を増やすことで稼働率を上げ、同処理場を将来も存続させる狙いもある。

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