鶴雅グループ、カラカミから阿寒湖畔の休館ホテル取得 - 日本経済新聞
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鶴雅グループ、カラカミから阿寒湖畔の休館ホテル取得

阿寒湖畔を中心にホテル・旅館を展開する鶴雅グループ(釧路市、大西雅之社長)は、カラカミ観光が同湖畔で7月から休館しているホテルエメラルドを取得する。旗艦施設「鶴雅」の隣接地でこの状態が長引けば、経営や地域の温泉街に与える影響が大きいと判断した。来年4月の開業を目指して6億円を投じ、2施設を一体的に運営する方針だ。

大西社長が27日、記者会見し明らかにした。取得するのはホテルエメラルドの建物(地上9階・地下1階建て、203室)、社員寮として使っている6階建て建物、阿寒湖畔に面した所有地(約1030平方メートル)。金融機関が仲介した。来春の開業に向けて改装に取り組み、取得金額の2億2000万円を含め6億円を投じる計画だ。

施設の名称は今後詰める。新施設は湖を望む客室数が鶴雅より多いエメラルドの特長を生かすほか、レストランも野菜を中心としたビュッフェ形式に変えることを検討する。価格帯は低価格路線と一線を画し、鶴雅が築いてきたブランドイメージを踏襲する。来春の開業に向け、正社員35人、パート従業員15人を新規採用する予定。

取得に踏み切った背景には、東日本大震災以降の環境変化がある。今年4~8月の阿寒湖温泉の宿泊者数は前年同期に比べ、23%減の約18万2900人にとどまった。エメラルドの休館期間は当面1年をメドとしていたが再開の保証はなく、このままの状態を放置すれば、鶴雅や地域の温泉街にダメージを与えると懸念した。

大西社長は「今後の阿寒湖畔など道内の観光を考えると、従来型の温泉観光地から、国際リゾート地へ転換していかなければならない。規模をただ大きくするだけでは意味がなく、2つの施設を融合させ、国際リゾート地にふさわしいコンセプトをつくっていきたい」と強調した。

鶴雅グループは家族連れやグループ客らの取り込みを狙い、2000年代に入って積極投資を続けてきた。特にここ2年は支笏湖畔(千歳市)、定山渓温泉(札幌市)の施設を相次いで取得。念願の道央圏進出を果たすと同時に、その土地の自然や食材を満喫しながら健康増進を目指す観光スタイル「ヘルスツーリズム」の普及に力を入れている。

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