札幌中心部、分譲マンション開発に熱 「西18丁目駅」周辺

2010/8/28付
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分譲マンション各社が札幌市の高級住宅街で、激しい開発競争を繰り広げている。知事公館や美術館が並ぶ札幌市営地下鉄東西線の「西18丁目駅」近くで、少なくとも6社がマンション7棟を建設または計画中だ。大半の会社が在庫処分にめどをつけ、需要が見込める札幌中心部に集中して相次いで開発に着手。不動産市況は活気を取り戻しつつある。

「オーライ、オーライ」。西18丁目駅から徒歩で6分、道立近代美術館からほど近い閑静な住宅街。わずか150メートルほどの距離で新築分譲マンション2棟の工事が進み、トラックが出入りする。明和地所が来年3月の完成を目指して「クリオ近代美術館」(36戸)を建設し、クリーンリバー(札幌市)も「フィネス近代美術館」(39戸)を来年8月に完成する予定だ。

同駅を最寄り駅とする建設中の分譲マンションは少なくとも5棟で、新規計画も2棟ある。三井不動産レジデンシャル、東急不動産、大京、明和地所はすでに販売中で、フィネス近代美術館は9月11日にモデルルームをオープンする。

さらに三井不動産レジデンシャルは高級住宅街として人気の円山地区の土地約1100平方メートルを仕入れ、14階建て(38戸)の物件を建設する計画を決めた。年内に着工し、2011年に販売を始める予定だ。大和ハウス工業も同地区で、10階建て(35戸)の分譲マンション建設を計画している。

なぜ西18丁目駅付近に開発が集中しているのか。理由の1つは同地区のブランド力だ。緑豊かな知事公館、道立の近代美術館や三岸好太郎美術館などが集まる。住宅流通研究所(札幌市)の入谷省悟所長は「昔から『文化通り』と呼ばれ、閑静な住宅街として地域ブランドが確立している」と説明する。そのため、「女性単身者や地方から札幌に移り住む年配の方の引き合いが強い」(明和地所営業部)という。

もう1つは08年秋のリーマン・ショックの教訓だ。景気後退で札幌圏の分譲マンションの成約戸数は09年に約30年前の水準まで落ち込んだ。特に郊外の分譲マンションが大量に売れ残り、在庫処理に時間がかかった。そのため各社は"都心回帰"を強め、西18丁目駅エリアや、JR札幌駅に近いが地価が比較的安い「創成川イースト」エリアに開発が集中した。

競争が激しくなる中、差別化を図る動きも出ている。三井不動産レジデンシャルは8月末まで、グループ会社が運営する道内のホテルやアウトレットモールなどの優待券などをモデルルームの来場者全員にプレゼント。東急不動産は「ブランズ円山南」で間取りの変更や色合い、エコ設備を自由に無料で選べるキャンペーンを実施している。

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