2018年12月19日(水)

遺伝子組み換えイチゴで犬用医薬品 ホクサンや産総研

2013/10/17付
保存
共有
印刷
その他

産業技術総合研究所(産総研)北海道センターと農薬販売のホクサン(北広島市)は17日、遺伝子組み換えのイチゴから製造した医薬品について製造販売の承認を政府から受けたと発表した。遺伝子組み換え植物そのものを原料とする医薬品の承認は世界初という。

承認を受けた医薬品は犬向けで、塗ると歯肉炎を軽減する効果があるという。道外の製薬企業と協力し、免疫機能を持ったタンパク質インターフェロンをつくる遺伝子を犬から抽出。それを組み込んだイチゴを札幌市にある産総研の植物工場で育てた。製品化まで一貫して工場内でできる。

製造販売承認はホクサンが農林水産省に申請し、11日に下りた。ホクサンは年明けに販売を始め、初年度は3万頭分(1頭分は投与10回分)、3~5年後には30万頭分を売る目標。

バイオ技術を使った医薬品は、動物細胞や大腸菌などを使うのが通例。培養タンクが必要だったり製品化時の処理に手間がかかったりし、費用がかさむ。植物工場の利用や、イチゴをすりつぶすだけで製品ができるため「コストを1000分の1に抑えられる」(産総研植物分子工学研究グループ長の松村健氏)。

遺伝子組み換え作物の研究が盛んな欧米では植物工場ではなく屋外の畑で生産するのが一般的。収量の安定性に課題があるため、医薬品の認可はまだないという。産総研は完全密閉型の植物工場でイチゴを栽培。温度、湿度などをコントロールでき、成分にぶれがない点などが評価された。

今後、産総研は完全密閉型の植物工場内で、家畜向けやヒト向けの医薬品開発を加速。ヒト向けの実用化は「10年くらいの時間が必要」(松村氏)というが、民間企業と連携し、アルツハイマー病のワクチン開発を進めているという。

道内では基幹の食産業を健康や医療分野に広げようという動きが活発化。北海道経済連合会などは、食産業を育成し健康市場を取り込むための施策を盛り込んだ「JAPANフードピア構想」を国家戦略特区として国に提案した。北大などは健康社会をつくる食や医療技術の研究拠点として政府に認定されている。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報