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新幹線札幌延伸、工期25年の短縮求める声も 並行在来線が焦点

北海道新幹線の札幌―新函館(仮称)を含む整備新幹線の未着工3区間の着工認可が秒読みの段階に入った。ただ、財源が限られるなか、札幌延伸の工事期間は25年程度になる見通しで、北海道新幹線の全線開通による経済効果が従来見通しを下回る可能性もある。地域活性化の起爆剤と期待されるだけに、今後、工期短縮に向けた議論も必要になりそうだ。

札幌延伸は2015年度に開通する新函館(仮称)から札幌までの全長211キロメートルの区間。北海道経済連合会は札幌延伸に伴い、純増分だけで年間1400億円の経済効果があると試算する。ただ工期は当初予定していた10年程度から25年程度に延びる見通しで、「経済効果の試算見直しも迫られる」(道内経済界首脳)。

政府・民主党はJR各社が鉄道建設・運輸施設整備支援機構に払う整備新幹線の施設使用料と公共事業費を財源に充てる。財政難に悩む政府は工期を当初予定から延ばすことで、単年度の公共事業費の負担軽減につなげたい考えだ。

景気などが好転しない限り、新幹線建設に充てる公共事業費の増額は難しい。札幌延伸と同時に着工認可される北陸と九州新幹線の2区間は15年程度で工事を終える予定。この2区間で払われる施設使用料が札幌延伸の財源に上積みされるとの期待もあるが、工期短縮にどこまで寄与するかは未知数だ。

北海道大学の石井吉春教授は「人口減少が急速に進む道内経済にとって、札幌延伸の工期が長くなれば経済効果を損ねる可能性がある」と指摘し、道内の他の社会資本整備の公共事業費を新幹線の建設費に振り向けるといった議論の必要性を訴える。

一方、道内では着工認可の前提条件となっている並行在来線のJRからの経営分離への地元合意の週内のとりまとめに向けた動きが本格化している。

同意が必要な沿線自治体15市町のうち、10町が道へ同意を表明済み。蘭越町、小樽市は議会が終わる16日に道へ同意を表明する。北斗市も16日に回答する予定だ。北斗市は新青森―新函館(仮称)の開業に伴う並行在来線(木古内―五稜郭)の鉄路を残すよう道へ要求。道が応じる可能性を示したことで、「同意を得られる見通し」(道幹部)。

最大の焦点は函館市の動向だ。同市議会は15日、各会派の代表者会議を開いたが、JRの経営分離について議会として賛否をまとめるに至らなかった。

道は函館市側に、経営分離後の第三セクターについて、出資や運営で道が主体的な役割を担うことを約束。市は市議会や地元商議所などの団体に対し、道の通知内容を踏まえてJRの経営分離同意の是非に15日までに回答するように要請していた。市議会以外の団体はいずれも同日までに、経営分離に同意しない意向を伝えたもようだ。

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