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3号機の優先審査を要望 北電、泊原発の再稼働申請

事故対策で暫定拠点

北海道電力は8日、泊原子力発電所1~3号機(泊村)の再稼働に向けて原子力規制委員会に安全審査を申請した。国内で最新の3号機を優先して審査するよう要望。関西電力大飯原発(福井県)の審査を参考に、事故時の対策拠点で新たな取り組みも打ち出した。敷地内の活断層については改めて問題ないとの認識を示した。今後は安全性確保を求める地元自治体への説明も必要となる。

原子力規制庁に申請書を手渡す北海道電力の酒井副社長(右)(8日、東京都港区)

北電が提出したのは安全対策の方針を示した書類、工事計画の書類、対応手順などを盛り込んだ保安規定書類の3つ。全9500ページに及ぶ。川合克彦社長は「規制委の審査対応に全力を尽くす。泊の1日も早い再稼働を目指す」とのコメントを出した。

3号機の優先審査を求めた理由について酒井修副社長は8日、(1)2009年運転開始で国内で最も新しいこと(2)蒸気発生器の数が他電力が再稼働申請した原発の多くと同じこと、を挙げた。

蒸気発生器はほぼ出力に比例する。1~2号機(出力57万キロワット)は2つ、3号機(同91万キロワット)は3つ備える。8日に申請があった原発10基のうち、伊方3号機、高浜3~4号機など6基が3つだ。

1~2号機の方が早く止まり、安全対策も進んでいた。だが「1つ審査が通ればほかに工程を当てはめ審査が迅速に進むのでは」(北電)との思惑から3号機優先を決めた。安全対策も先行させる。

事故時の対策拠点を巡っては、免震重要棟の完成は15年度中だ。それまでの間、暫定の拠点を設ける。大飯原発の運転継続の議論では、関電は中央制御室近くの会議室を拠点とするとしたが、規制委は同時被災の可能性を指摘していた。関電は別の場所に拠点を新設する対応をとっており、北電もそれにならう。

想定する最高津波高は、北電は従来の想定である9.8メートルから7.3メートルに引き下げた。敷地近くの岩礁を反映させたため、津波の威力が軽減されるという。海抜16.5メートルとなる防潮堤を14年中に完成させる方針は変えない。

活断層について規制委は12万~13万年前のものを中心に審査するが、泊原発に確認できる地層が残っていない。問題となるのは「F-1」と呼ぶ断層。北電はこの地層を「数十万年前」とする。

規制委は13万年前までの地層で確認できない場合、13万~40万年前のいずれかの年代で判断する。北電は「F-1は20万年前以降にできた可能性はない」と主張。問題はないとするが、40万年前とは明言できず、規制委の判断が注目される。

地元町村に説明開始 再稼働、反応割れる

北海道電力は8日、泊原子力発電所(泊村)から10キロメートル圏内の4町村(泊村、共和町、岩内町、神恵内村)に担当者が出向き、原子力規制委員会への安全審査の申請内容を説明した。一方、同じ後志総合振興局管内で泊村など4町村を除く16市町村には8日は連絡のみで、9日に道庁主催の会合で北電が説明する。

泊村の牧野浩臣村長は日本経済新聞社の取材に対し「一通り(対策を)やっている。審査に時間がかかるのはやむを得ないが、安全が確認できれば進めるべきだ」と、再稼働に前向きな姿勢を示した。4町村は北電と1986年に安全協定を結んだ。施設を変更する場合は事前に4町村の了解がいると明記しており、再稼働には了解を得る必要があるとみられる。

他の16市町村は今年1月に北電と別途、安全確認協定を結んだ。そのうち真狩村は「防潮堤、非常用電源などは(北電が)対応している最中で十分とは言えない」(佐々木和見村長)と指摘。対策が終わるまで再稼働すべきではないとの姿勢だ。16市町村の同意の扱いはまだ決まっていない。

地元自治体の再稼働への反応が分かれるなか、高橋はるみ知事は「規制委には厳正な審査をしてもらいたい」とのコメントを発表。大消費地である札幌市の上田文雄市長は「十分な防災体制が整っておらず、再稼働の動きが始まることは理解できない」としている。

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