2019年1月23日(水)

東北で医学部新設、3構想出そろう 主体は大学・病院・自治体

2014/5/31付
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東北に大学医学部を新設する3つの構想が出そろった。文部科学省の募集期限だった30日、東北薬科大学(仙台市)、脳神経疾患研究所(福島県郡山市)、宮城県の3者が申請した。それぞれ立地の意義や既存施設との連携を打ち出したほか、急速な高齢化で医師不足が深刻となっている東北への卒業生の定着策も提示した。国は今夏にも1つを選定する。

文科省は6月に選定作業に入る。教育や医療の有識者による審査会の議論を経て、文科相が厚生労働相、復興相と協議して結論を出す。2016年春の開学を目指す。

それぞれの構想の事業主体は、大学、病院、自治体とばらけた。東北薬科大は薬学教育との連携、脳神経疾患研は大規模な病院グループを抱える点を強みにしている。宮城県は県立宮城大学(大和町)の看護学部との相乗効果などを見込む。

キャンパスの場所も審査のポイントになりそうだ。薬科大は仙台市内への開設を計画。教員や学生、付属病院の患者の利便性を重視し「人が集まりやすい仙台で育てた医師を、東北全域に再配分する」との構想だ。宮城県は過疎化が進む県北の栗原市を選び「仙台への医師の一極集中を緩和する」(村井嘉浩知事)という。脳神経疾患研は原子力発電所事故のあった福島県で医師を育てる意義を強調している。

卒業生に東北の医師として根付いてもらう仕掛けも競い合う。宮城県の構想は定員60人全員に入学金や学費、奨学金を貸与する優遇措置を設ける代わりに、東北の自治体病院への10年間の勤務を義務付ける。宮城県に20人、他の5県に8人ずつ配置する。

薬科大は奨学金制度の充実を掲げ、脳神経疾患研も定員の100人全員を奨学生にする計画。宮城県は薬科大が選ばれた場合も、卒業後に域内で勤務することを条件とした入学枠を拡充するためのファンドを設けて支援する方針だ。

東北の医師不足は全国的にみても顕著だ。東北6県の人口10万人当たりの医師数は12年末時点で209人となっており、全国8地域で最少。最多の四国とは70人近い差がある。

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